製品・安全性 よくあるご質問

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チモプトール / チモプトールXE

用法・用量

チモプトールXE 用法は1日1回点眼ですが、どの時間帯に点眼すればよいですか?

A

チモプトールXE点眼液は原発開放隅角緑内障および高眼圧症患者を対象とした臨床試験において、1日1回点眼で眼圧下降効果の24時間持続が認められました1)。点眼する時間帯に特に決まりはありません。
チモプトールXE点眼液のようなβ-受容体遮断薬は、交感神経β-受容体を介して房水産生を抑制し眼圧を下降させると考えられています。そのため、交感神経活性の低い夜間は効果が減弱する可能性があり、朝に点眼するのが有効であるといわれています。実際に、0.5%チモロールゲル化点眼液の朝点眼と夜点眼での眼圧下降効果を後ろ向きに比較検討して、朝点眼でより効果が高かったとする報告(海外データ)2)があります。一方、0.5%チモロールゲル化点眼液を夜点眼してプラセボと比較して有意な眼圧下降効果を示した報告(海外データ) 3)もあり、夜に点眼しても効果はあると考えます。

参考資料
  • 1) 北澤克明他:あたらしい眼科 12,1607(1995)【54519】
  • 2) Ong L. B. et al.:J. Ocul. Pharmacol. Ther. 21,388(2005)【62354】
  • 3) Netland P. A. et al.:J. Glaucoma 8,164(1999)【54583】

[2023/06 更新]

チモプトールXE 他剤と併用する場合の点眼順序、間隔はどうすればよいですか?

A

チモプトールXE点眼液は点眼後に眼表面でゲル化する製剤です。他の点眼剤を併用する場合には、他の点眼剤の吸収を妨げるおそれがあるため、チモプトールXE点眼液は最後に点眼してください。また、チモプトールXE点眼液の点眼前に少なくとも10分間の間隔をあけてください1)。なお、やむを得ずチモプトールXE点眼液を点眼した後に他の点眼剤を使用する場合には、ゲル化した点眼液が他の点眼剤の吸収を妨げるおそれがあるので、チモプトールXE点眼液点眼後、十分な間隔をあけて他の点眼剤を点眼してください2)

点眼前に10分間の間隔をあける理由

海外での用法・用量及び使用経験を参考とし、他点眼剤との点眼間隔を10分間としました1)。 チモプトールXE点眼液は涙液中の陽イオン(Na+、K+等)との接触によってゲル化します。通常、点眼刺激による涙液の反射分泌がチモプトールXE点眼液のゲル化に影響を与えないよう、十分な間隔をあけるのが望ましいと考えています。

チモプトールXE点眼液を点眼した後に他の点眼剤を使用する場合の点眼間隔

チモプトールXE点眼液のゲル化剤であるジェランガム溶液点眼後の角膜表面での平均消失半減期は約18分でした3)
他の点眼剤を後に点眼する場合、ゲル化した点眼液による影響をより少なくするには1時間程度(半減期の約4倍)あけるのが望ましいと考えます。
なお、チモプトールXE点眼液を点眼後、十分な間隔をあけずに他の点眼剤を使用した場合の吸収等への影響については検討していません。

参考資料
【関連するQ&A】

[2019/09 更新]

特殊背景患者

気管支喘息又はその既往歴のある患者、気管支痙攣又は重篤な慢性閉塞性肺疾患のある患者に禁忌である理由を教えてください。

A

チモプトール点眼液・チモプトールXE点眼液(チモプトール類)の点眼後、全身に吸収されたチモロールが気管支平滑筋に局在するβ-受容体を遮断することにより、気管支平滑筋を収縮し、喘息発作の誘発・増悪を起こすおそれがあります。そのため、「気管支喘息又はその既往歴のある患者、気管支痙攣又は重篤な慢性閉塞性肺疾患のある患者」への投与は禁忌としています1)

慢性閉塞性肺疾患のある患者さんへのチモプトール類の投与基準

チモプトール類の投与禁忌である「重篤な慢性閉塞性肺疾患のある患者」の明確な基準はありません。慢性閉塞性肺疾患(COPD)は有害物質の長期吸入曝露などにより生ずる肺疾患で、不可逆性または可逆性の小さい気流閉塞を示し緩徐進行性であることから、個々の患者さんの呼吸機能等を考慮して投与をご判断ください。

参考資料
お知らせ

[2023/06 更新]

コントロール不十分な心不全、洞性徐脈、房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)又は心原性ショックのある患者に禁忌である理由を教えてください。

A

チモプトール点眼液・チモプトールXE点眼液(チモプトール類)点眼後、全身に吸収されたチモロールのβ-受容体遮断による陰性変時・変力作用により、これらの症状を増悪させるおそれがあります1)
心臓のβ受容体が刺激されると、

  • 洞調律(洞房結節興奮)促進による心拍数の増加[陽性変時作用]
  • 心房筋および心室筋の収縮力増強[陽性変力作用]
  • 房室結節等の刺激伝導速度の増加

の結果、心拍出量が増大します。
心不全の根本原因は心筋のポンプ機能の低下であり、コントロール不十分な心不全ではβ-受容体遮断作用(先述の陽性変時・変力作用および刺激伝導速度の抑制)によって症状を増悪させるおそれがあります。また、洞房結節における電気パルスの生成・伝導の低下により心拍が遅くなる洞性徐脈、房室結節における電気パルスの伝導低下である房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)においてもβ-受容体遮断作用によって症状を増悪させるおそれがあります。心原性ショックは心筋梗塞、心筋炎、不整脈等により急激に心拍出量が低下する病態で、β-受容体の遮断でさらに心拍出量が抑制され症状を増悪させるおそれがあります。

心不全の患者さんへのチモプトール類の投与基準

チモプトール類の投与禁忌に設定されている「コントロール不十分な心不全」に明確な基準は特にありません。個々の患者さんの心臓機能等を考慮して投与をご判断ください。

参考資料
お知らせ

[2023/06 更新]

妊婦へ投与できますか?

A

チモプトール点眼液・チモプトールXE点眼液(チモプトール類)は妊産婦への使用経験が少なく安全性が十分検討されていません。妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。
投与される場合には、点眼液の全身への移行が最小限になるよう、点眼後の涙のう部圧迫および閉瞼をご指導ください。
なお、生殖発生毒性試験では、器官形成期のラットに500mg/kg/日を経口投与した試験で骨化遅延が、マウスに1,000mg/kg/日、ウサギに200mg/kg/日を経口投与した試験で死亡胎児数の増加が認められています【参考】。

【参考】
生殖発生毒性試験1)2)
交配前・妊娠初期、器官形成期及び周産期・授乳期のラットに50~500mg/kg/日を経口投与した試験並びに器官形成期のマウス、ウサギにそれぞれ50~1,000mg/kg/日、30~200mg/kg/日を経口投与した試験において、ラットの最高用量群で軽度の骨化遅延が、また、マウス、ウサギの最高用量群に死亡胎児数の増加が認められた以外、生殖障害及び催奇形作用は認められなかった。
血液-胎盤関門通過性3)4)
ラットに14Cチモロールマレイン酸塩7.3mg/kgを経口投与した試験において、2時間後、羊水中には血漿中濃度の約1/9に相当する0.17µg/mLが、胎盤には1.27µg/gのチモロールが認められた。
参考資料

[2023/06 更新]

授乳婦へ投与できますか?

A

チモプトール点眼液・チモプトールXE点眼液(チモプトール類)の授乳中の女性への投与は、治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を判断してください。乳児への影響が懸念される場合には授乳を中止し、人工母乳に切り替えてください。授乳を継続する場合には点眼液の全身への移行が最小限になるよう、点眼後の涙のう部圧迫および閉瞼をご指導ください。
チモプトール類の乳汁を介した哺乳児に対する安全性は十分検討されていません。また、チモロールマレイン酸塩点眼により、ヒト母乳中への移行が認められたとの報告があります【参考】。

【参考】
乳汁への移行性1)2)
出産後より0.5%チモロールマレイン酸塩点眼液を点眼していた授乳婦(34歳)に0.5%チモロールマレイン酸塩点眼液1滴を片眼に1回点眼したところ、点眼後1.5時間の血漿中に0.93ng/mL、母乳中に5.6ng/mLのチモロールが認められた(外国人データ)。
生殖発生毒性試験
ラットを用いた経口投与(50~500mg/kg/日)による周産期・授乳期投与試験において、母動物の哺育行動の異常、新生児の体重減少、離乳率の低下、その後の発育抑制傾向が認められた。しかし、新生児の体重減少と離乳率の低下は本剤の苦味による母動物の哺育行動の変化に起因すると考えられた。
参考資料

[2023/06 更新]

小児等(新生児、乳児、幼児、小児)へ投与できますか?

A

チモプトール点眼液・チモプトール点眼液XE(チモプトール類)は小児等を対象とした臨床試験は実施しておらず安全性は確立していません。治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。
投与される場合には、点眼液の全身への移行が最小限になるよう、点眼後の涙のう部圧迫および閉瞼をご指導ください。

※年齢区分(おおよその目安)
小児:7歳以上、15歳未満の児、幼児:1歳以上、7歳未満の児、乳児:生後4週以上、1歳未満の児、新生児:出生後4週未満の児、低出生体重児:出生時の体重が2500g未満の児

小児緑内障の治療

緑内障診療ガイドライン第5版 第8章 緑内障の病型別治療1)では、Ⅲ小児緑内障の一病型である1.原発先天緑内障の治療について、『治療の第一選択は手術治療である(1B)。』、また『薬物治療は周術期ないし手術治療後の補助手段として行われる(1B)。』としている。加えて、1.-2)薬物治療の項には『どの薬物も乳幼児・小児における安全性および効果についてのデータは確立していないことを忘れてはならない。』と記載している。

※【推奨の強さ】1:強く推奨する、2:弱く推奨する(提案する)
【エビデンスの強さ】A(強):効果の推定値に強く確信がある、B(中):効果の推定値に中程度の確信がある、C(弱):効果の推定値に対する確信は限定的である、D(とても弱い):効果の推定値がほとんど確信できない

参考資料
  • 1)日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン改訂委員会:日本眼科学会雑誌 126,85(2022)【66595】
【関連するQ&A】

[2023/06 更新]

服薬指導

チモプトールXE コンタクトレンズを装用したまま使用してもよいですか?点眼後、装用するまでどのくらい時間をあけたらよいですか?

A

ハード・ソフトを問わず、いずれのコンタクトレンズ(CL)もはずしてチモプトールXE点眼液を点眼してください。
チモプトールXE点眼液は1日1回点眼ですので、CL装用中の点眼を避けるための工夫として、朝CLを装用する前に点眼するか、あるいは、夜CLをはずした後に点眼するといった方法があります。

[理由]
チモプトールXE点眼液は点眼後ゲル化によって眼表面での滞留時間延長を図った製剤です。CLに対する主薬や添加物の吸着およびCLの物性に与える影響等は検討しておらず、またCLを装用したまま点眼したときのその動態(眼表面での滞留時間等)も検討していません。

【関連するQ&A】
チモプトールXE点眼液はジェランガムを配合したゲル化製剤ですが、点眼後CLを装用するまでどのぐらい時間をあけたらよいですか?

臨床的にチモプトールXE点眼液点眼後、どのぐらいの時間経過でCLに影響がみられなくなるか検討した報告はありません。したがってジェランガム製剤点眼時の角膜表面での平均消失半減期(約18分)を考慮して、点眼後はCLを装用するまでに30分以上、できれば1時間あけてください。

[2021/09 更新]

チモプトールXE 使用時、なぜ1回振らないといけないのでしょうか?

A

チモプトールXE点眼液はわずかに粘稠性があり、揺変性ようへんせい(チキソトロピー)があるため放置により粘性が増しますが、振盪により再び流動性が増します1)。点眼時の滴下を容易にするため、使用時にはキャップをしたまま点眼瓶を下に向け、1回振ってから(何回も振る必要はありません)点眼してください。

※チキソトロピーとは2)
振とうまたは攪拌によって液状となり、放置すると再び半固体状となる性質で、ある種のゲルが示す。

参考資料

[2018/09 作成]

その他、点眼剤の全般的な服薬指導についてはこちらをご覧ください。

製品に関するお問い合わせ(医療関係者の皆様)

製品情報センター:0120-921-839
※上記フリーコールがご利用いただけない場合:06-6321-7056
受付時間:9:00~17:00(土、日、祝日を除く)
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