ヒアレイン点眼液・ヒアレインミニ点眼液(ヒアレイン類)と他剤を併用する際の点眼順序については、臨床的な検討を行っていないため、点眼順序の違いにより効果に差があるかは明確ではありません。
一般に、点眼液は投与後すみやかに眼表面から消失するので、5分程度の間隔をあければ相互に与える影響はかなり少なくなると考えられています。そのため、間隔を5分以上あけていただければどちらを先に点眼しても問題はないと考えられます。
薬理作用を考慮すれば、涙液分泌促進作用のあるジクアホソルナトリウム点眼液（ジクアス点眼液・ジクアスLX点眼液）と併用する場合には、後にヒアレイン類を点眼するのが望ましいという考えもあります(下記枠内参照)。
懸濁性点眼液やゲル化製剤と併用する場合は、ヒアレイン類を先に点眼してください。

参考資料

• 1）川原めぐみ他：あたらしい眼科 21, 1561(2004)【57822】
• 2）ドライアイ研究会診療ガイドライン作成委員会：日本眼科学会雑誌123, 489(2019)【66236】

【関連するQ&A】

• いくつかの点眼剤を併用する場合、順序や間隔はどう判断すればよいですか？
• ジクアス点眼液・ジクアスLX点眼液は他剤と併用する場合の点眼順序はどうすればよいですか？

[2023/10　更新]

ヒアレイン点眼液・ヒアレインミニ点眼液（ヒアレイン類）の用法「1日5～6回点眼し、症状により適宜増減する」を守ってご使用ください。角結膜や涙液の状態等によって、点眼液に対する忍容性が異なるため、ヒアレイン類の1日の点眼可能な回数を一概にいうことはできません。

【参考】

使用成績調査

1995年1月～1999年1月に実施したヒアレイン点眼液0.1％、ヒアレインミニ点眼液0.1％及び0.3％の使用成績調査(安全性解析調査例数：3,788例)において、1日平均投与回数が6回を超えた症例は90例(2.36％)と僅かであった。このうち、副作用が認められたのは1例(1.11％)であった。

[2020/09　更新]

ヒアレイン点眼液・ヒアレインミニ点眼液（ヒアレイン類）の妊婦への投与については、患者さんごとに原疾患の病状や薬物動態等の情報を鑑み、ご判断ください。
なお、投与される場合には、点眼液の全身への移行が最小限になるよう、点眼後の涙のう部圧迫および閉瞼をご指導ください。

ヒアレイン類の主成分であるヒアルロン酸ナトリウムは生体成分のひとつです。また、ヒアルロン酸ナトリウムを点眼投与後の血清中濃度は定量下限未満であったことを確認しています。しかし、ヒアレイン点眼液0.1％、ヒアレインミニ点眼液0.1％および0.3％の使用成績調査における妊婦への使用例は7例のみで、妊婦および出生児に対する安全性は十分検討されていません。【参考】

【参考】

血中濃度^1）

健康成人男性（6例）の片眼に1日目0.1％、2日目0.5％ヒアルロン酸ナトリウム点眼液を1回1滴、1日5回点眼し、3日目より0.5％点眼液を1日13回7日間点眼した。点眼開始前、3日目、9日目（最終日）およびその翌日の血清中ヒアルロン酸濃度を測定した。その結果、全ての被験者における全測定時点で点眼前と同様に定量下限（10µg/mL）未満であった。
（本剤が承認されている濃度は0.1％および0.3％であり、用法用量は1日5～6回点眼で、症状により適宜増減である。）

使用成績調査^2）

1995年1月～1999年1月に実施したヒアレイン点眼液0.1％、ヒアレインミニ点眼液0.1％及び0.3％の使用成績調査結果（安全性解析対象　3,788例）では、妊婦7例において副作用の発現は認められなかった。また、出生児の状態等につき追跡調査を行った結果、1例のみ出産後に来院があり、産婦は異常なしであったが、出生児の状態は確認できなかった。他の患者は使用成績調査終了後来院がなく、以後の経過は不明である。

参考資料

• 1）ヒアレイン点眼液/ヒアレインミニ点眼液 インタビューフォーム Ⅶ-1.-(2) 臨床試験で確認された血中濃度の項
• 2）ヒアレイン点眼液/ヒアレインミニ点眼液 インタビューフォーム Ⅷ-6.-(5) 妊婦の項

[2023/10　更新]

ヒアレイン点眼液・ヒアレインミニ点眼液（ヒアレイン類）の授乳中の女性への投与については、患者さんごとに原疾患の病状や薬物動態等の情報を鑑み、ご判断ください。
なお、ヒアレイン類の投与で、乳児への影響が懸念される場合には授乳を中止し、人工母乳に切り替えてください。授乳を継続する場合には、点眼液の全身への移行が最小限になるよう、点眼後の涙のう部圧迫および閉瞼をご指導ください。

ヒアレイン類の主成分であるヒアルロン酸ナトリウムは生体成分のひとつです。また、ヒアルロン酸ナトリウムを点眼投与後の血清中濃度は定量下限未満であったことを確認しています【参考】。
なお、ヒアレイン類の授乳中の女性への使用経験はなく安全性は十分検討されていません。

【参考】

血中濃度^1）

健康成人男性（6例）の片眼に1日目0.1％、2日目0.5％ヒアルロン酸ナトリウム点眼液を1回1滴、1日5回点眼し、3日目より0.5％点眼液を1日13回7日間点眼した。点眼開始前、3日目、9日目（最終日）およびその翌日の血清中ヒアルロン酸濃度を測定した。その結果、全ての被験者における全測定時点で点眼前と同様に定量下限（10µg/mL）未満であった。
（本剤が承認されている濃度は0.1％および0.3％であり、用法用量は1日5～6回点眼で、症状により適宜増減である。）

参考資料

• 1）ヒアレイン点眼液/ヒアレインミニ点眼液 インタビューフォーム Ⅶ-1.-(2) 臨床試験で確認された血中濃度の項

[2023/10　更新]

ヒアレイン点眼液・ヒアレインミニ点眼液は、小児等を対象とした臨床試験は実施していませんが、ヒアレイン点眼液0.1％、ヒアレインミニ点眼液0.1％及び0.3％の使用成績調査の結果や点眼後の薬物動態、毒性などから、小児等においても成人と同様に使用できます。
ただし、使用にあたっては副作用の発現に十分ご注意ください。

※年齢区分(おおよその目安)
小児：7歳以上、15歳未満の児、幼児：1歳以上、7歳未満の児、乳児：生後4週以上、1歳未満の児、新生児：出生後4週未満の児、低出生体重児：出生時の体重が2500g未満の児

【参考】

使用成績調査^1）

1995年1月～1999年1月に実施したヒアレイン点眼液0.1％、ヒアレインミニ点眼液0.1％及び0.3％の使用成績調査(安全性解析対象症例：3,788例)において、15歳未満の小児への使用例は142例で、いずれも副作用の発現は認められなかった。

参考資料

• 1）ヒアレイン点眼液/ヒアレインミニ点眼液 インタビューフォーム Ⅷ-6.-(7) 小児等の項
• 2）ヒアレイン点眼液/ヒアレインミニ点眼液 インタビューフォーム Ⅷ-8.-(2) その他の副作用の項

【関連するQ&A】

• 点眼剤を小児へ投与する際の用法・用量は成人と同じでよいですか？

[2023/10　更新]

コンタクトレンズ(CL)の装用はドライアイなどに伴う角結膜上皮障害のリスクファクター^1）であり、病状悪化の防止の点から、治療期間中はCLの装用を中止することが原則です。ただし、CLを装用したまま点眼治療を行っても問題ないと考えられる患者さんに対しては、ソフトコンタクトレンズ(SCL)装用中の点眼に関連する非臨床試験(in vitro)の結果から、ヒアレイン点眼液はハードコンタクトレンズ(HCL)、ディスポーザブルタイプを含むSCL^※ともに装用中の点眼は可能と考えます。

※カラーコンタクトレンズ装用時の点眼について
ヒアレイン点眼液のカラーコンタクトレンズへの影響は検討していないため、装用中の点眼は避けてください。

【参考】

臨床現場においては、ドライアイであっても個々の患者さんの眼疾患の状態等を考慮してCLの装用を検討することがあります^2）。また、角膜上皮障害の治療や眼表面の保護の目的でCLを用いることがあります^3）。

参考資料

• 1）眼科プラクティス27. 標準コンタクトレンズ診療 p.122、文光堂(2009)
• 2）眼科プラクティス27. 標準コンタクトレンズ診療 p.189、文光堂(2009)
• 3）眼科プラクティス27. 標準コンタクトレンズ診療 p.150、文光堂(2009)

【関連するQ&A】

• コンタクトレンズを装用したまま点眼してもよいですか？

[2023/10　更新]

コンタクトレンズ(CL)の装用は角結膜上皮障害のリスクファクター^1）であり、病状悪化の防止の点から、治療期間中はCLの装用を中止することが原則です。ただし、CLを装用したまま点眼治療を行っても問題ないと考えられる患者さんに対しては、ヒアレインミニ点眼液は保存剤を配合しておらず、さらに、ヒアレインミニ点眼液はコンタクトレンズ(CL)の浸漬試験(in vitro)でソフトCLの物性に対して影響を与えなかったこと、CL装用者を対象にした臨床試験の結果を踏まえて承認されたことから、CLを装用したままの点眼は可能です。
なお、ヒアレインミニ点眼液の保険請求は「シェーグレン症候群又はスティーブンス・ジョンソン症候群に伴う角結膜上皮障害」に限られています。

参考資料

• 1）眼科プラクティス27. 標準コンタクトレンズ診療 p.122、文光堂(2009)

【関連するQ&A】

• コンタクトレンズを装用したまま点眼してもよいですか？

[2023/10　更新]

容器を開封した時に生じるプラスチック破片が、容器の開封口に付着している可能性があります。
点眼時の破片の混入を回避するため、ヒアレインミニ点眼液の開封時は最初の1～2滴を捨てるよう注意喚起しています。

[2019/03　更新]

ヒアレインミニ点眼液は1本で両眼に点眼可能です。
なお、ヒアレインミニ点眼液は保存剤を含有していないシングルユース(1回使い捨て)タイプの点眼液です。余った液は残さず、すみやかに破棄してください。

[2023/10　更新]