製品・安全性 よくあるご質問

ご利用にあたっての注意
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タプロス / タプロスミニ

効能・効果

タプロス点眼液とタプロスミニ点眼液の効能・効果に違いはありますか?

A

タプロス点眼液、タプロスミニ点眼液の効能・効果は、いずれも「緑内障、高眼圧症」です。
ただし、タプロスミニ点眼液については、電子添文〔25.保険給付上の注意〕に記載の通り、「以下の患者に使用した場合に限り算定するものであること。①ベンザルコニウム塩化物に対し過敏症の患者又はその疑いのある患者、②角膜上皮障害を有する患者」とされていますので、ご注意ください。

[2023/04 更新]

用法・用量

用法は1日1回点眼ですが、どの時間帯に点眼すればよいですか?

A

タプロス点眼液・タプロスミニ点眼液(タプロス類)を点眼する時間帯に特に決まりはありません。異なる時間帯に点眼して眼圧下降効果を比較検討した試験は行っておらず、点眼する時間帯によって効果に差がみられるかは明らかではありません。点眼する時間帯の比較試験はありませんが、タプロス類は朝1)、夜(海外データ)2)3)ともに点眼後24時間においても有意な眼圧下降効果を示しました。また、一般にタプロス類のようなFP受容体作動薬は昼間でも夜間でも一定して眼圧を下降させ、24時間、すなわち眼圧日内変動全体を下降させるといわれています。
これらのことから、点眼を忘れないよう、患者さんのライフスタイル等を考慮して点眼時刻を設定してください。

FP受容体作動薬では眼瞼の色調変化や眼周囲の多毛化等、眼の局所に副作用が発現することが知られていますので、副作用の予防あるいは軽減のために、例えば入浴前の点眼に設定するのもひとつの方法です。

参考資料
  • 1)桑山泰明他:あたらしい眼科 25, 1595(2009)【60767】
  • 2)Konstas A. G. P. et al.:Br. J. Ophthalmol. 97, 1510(2013)【63549】
  • 3)Shin J. et al.:J. Ocul. Pharmacol. Ther. 30, 803(2014)【64428】

[2023/04 更新]

用法は1日1回点眼ですが、1日2回以上点眼した場合の効果や安全性について教えてください。

A

タプロス点眼液・タプロスミニ点眼液(タプロス類)は、緑内障患者を対象として1日2回以上点眼した臨床試験を実施していません。そのため、1日2回以上点眼した場合の効果や安全性については不明です。
しかし、他のFP受容体作動薬で1日2回以上の点眼で点眼日数を経るにしたがって効果が減弱したという報告(海外データ)1)2)があるため、タプロス類も同様に効果減弱の可能性が考えられます。また、非臨床の眼刺激性試験(30分間隔で10回点眼)において、結膜発赤や角膜上皮障害等の副作用が認められました【参考】。このことから誤って多く点眼した場合には結膜発赤、角膜上皮障害等の副作用が発現する可能性があります。
したがって、タプロス類を投与する際は、用法・用量を守り、1日1回を超える回数の点眼をしないよう患者さんにご指導ください。

【参考】
眼刺激性試験3)
白色ウサギに0.005%、0.05%及び0.5%タフルプロスト点眼液を1回50µL、30分間隔で10回点眼したとき、すべての濃度で結膜発赤を主体とした変化が点眼後一過性に認められた。
サルに0.0005%、0.005%及び0.05%タフルプロスト点眼液を1回30µL、30分間隔で10回点眼したとき、0.005%以上で結膜発赤、角膜上皮障害の発現頻度増加、0.05%で縮瞳、角膜混濁、結膜浮腫が点眼後一過性に認められた。
参考資料

[2023/04 更新]

他のFP受容体作動薬と併用できますか?

A

タプロス点眼液・タプロスミニ点眼液(タプロス類)と、他のFP受容体作動薬ならびにFP受容体作動薬配合点眼薬との併用はお勧めしていません。
緑内障診療ガイドライン第5版1)では、「併用処方時には、薬理学的な作用点が同じ薬剤を選択してはならない。例えば、2種類のプロスタノイド受容体関連薬や、2種類のβ遮断薬の併用などである。(また、新薬であるEP2受容体作動薬とFP受容体作動薬も細胞内シグナルや房水流出促進作用機序が異なるが、併用は推奨されておらず、EP2受容体作動薬とタフルプロストの併用は禁忌である)。」とされています。
タプロス類ではありませんが、2種類のFP受容体作動薬同士を併用した場合に眼圧が上昇したという報告(海外データ)2)があります。

イソプロピル ウノプロストン、オミデネパグ イソプロピルとの併用

緑内障診療ガイドライン第5版 第5章 Ⅰ緑内障治療薬の分類1)では、イソプロピル ウノプロストンはタフルプロストなどのFP受容体作動薬とは異なる「イオンチャネル開口薬」に分類されていますが、他のFP受容体作動薬との併用で眼圧上昇が報告されている3)ことから、タプロス類とイソプロピル ウノプロストンの併用もお勧めしていません。
また、オミデネパグ イソプロピルはプロスタグランジンE2受容体であるEP2受容体の選択的作動薬で、FP受容体作動薬ではありませんが、海外での臨床試験で中等度以上の羞明、虹彩炎等の眼炎症が高頻度に認められていることから、タプロス類との併用は禁忌になっています4)

参考資料

[2023/04 更新]

特殊背景患者

投与に注意が必要な患者として、気管支喘息又はその既往歴のある患者さんが設定された理由を教えてください。

A

プロスタグランジンF(PGF)は気管支を収縮させ気道抵抗を増加させることが知られており1)、その誘導体であるタプロス点眼液・タプロスミニ点眼液(タプロス類)を気管支喘息又はその既往歴のある患者さんに使用した場合に喘息発作を悪化又は誘発するおそれがあることから、投与に注意が必要な患者として設定しました2)

参考資料

[2023/04 更新]

投与に注意が必要な患者として、無水晶体眼又は眼内レンズ挿入眼の患者さんが設定された理由を教えてください。白内障手術時の休薬は必要ですか?

A

ベンザルコニウム塩化物を含有するタプロス点眼液の承認時までの臨床試験において、黄斑浮腫の発現は認められませんでした。しかし、他のFP受容体作動薬で無水晶体眼又は眼内レンズ挿入眼の患者さんに使用した場合に、嚢胞様黄斑浮腫(CME:cystoid macular edema)を含む黄斑浮腫、及びそれに伴う視力低下を起こしたとの報告があり、また、本剤でも製造販売後に同様の報告が集積したことから、投与に注意が必要な患者として設定しました12)

タプロス点眼液・タプロスミニ点眼液(タプロス類)を使用している場合、白内障手術時の休薬は必要ですか?

白内障手術を受ける場合のタプロス類をはじめとするFP受容体作動薬の休薬の是非について、一定の見解はありません。

白内障手術後、一部の患者さんに見られるCMEは、FP受容体作動薬の継続使用も発現要因の一つと考えられていますが、その発現機序は不明です。

要因の一つと考えられているため、白内障手術時にはFP受容体作動薬を休薬した方が望ましいと考えます。しかしながら休薬により眼圧コントロールに影響を与える可能性がありますので、患者さんごとに緑内障の病状やCME発症のリスク等を考慮して休薬するかどうかご判断ください。

参考資料

[2023/04 更新]

妊婦へ投与できますか?

A

タプロス点眼液・タプロスミニ点眼液(タプロス類)は妊産婦への使用経験が少なく安全性が十分検討されていません。妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。
投与される場合には、点眼液の全身への移行が最小限になるよう、点眼後の涙のう部圧迫および閉眼をご指導ください。
なお、胚・胎児発生に関する試験では、ラットに10µg/kg/日(臨床用量の約670倍)または30µg/kg/日(臨床用量の2000倍)、ウサギに0.03µg/kg/日(臨床用量の2倍)または0.1µg/kg/日(臨床用量の約6.7倍)を静脈内投与した場合、着床後胚死亡率の増加、胎児の発育に対する影響や催奇形性等が認められました1)。他の生殖発生毒性試験(ラット)や摘出子宮を用いた試験(ラット)においても、母動物の哺育不良や出生児の生存率低下、子宮収縮作用が認められました。さらに、ラットへの点眼投与ではタフルプロストの胎盤通過性が認められています【参考】。
※タプロス類を体重60kgの患者の両眼に1回1滴(30µL)を点眼投与したときの投与量(0.015µg/kg/日)

【参考】
特定使用成績調査2)
本剤投与開始時に妊娠中の女性はいなかったが、本剤投与中に妊娠が確認された症例は4例あった。いずれも妊娠が判明した後、本剤の投与を中止しており、本剤投与中に有害事象は認められなかった。そのうち3例の追跡調査を実施したところ、2例の妊娠週は14週と16週(1例は本剤4ヵ月投与、1例は本剤18ヵ月投与)であったこと以外、分娩や出生児に関する情報は入手できなかった。他の1例は正常分娩であり、その後の出生児も正常であった。また、解析対象除外症例のうち1例に妊婦症例が認められたが、初診以降来院がなく、追跡調査を実施したがその後の状況は不明である。
生殖発生毒性試験1)
試験項目 動物種 ① 投与期間
② 投与量(µg/kg/日)
生殖発生に関する主な所見 無毒性量
[試験項目]受胎能及び着床までの初期胚発生 [動物種]ラット [① 投与期間、② 投与量(µg/kg/日)]
    • ①(雄)交配前2週間~剖検前日(合計9週間)
    • (雌)交配前2週間~妊娠6日
  • ②10, 30, 100(静脈内)
[生殖発生に関する主な所見]
  • 全投与群
    • 親動物の受胎能及び初期胚発生に影響は認められなかった。
[無毒性量]
  • (雄)
    • 30µg/kg/日
  • (雌)
    • 100µg/kg/日
  • (胎児)
    • 100µg/kg/日
[試験項目]胚・胎児発生 [動物種]ラット [① 投与期間、② 投与量(µg/kg/日)]
  • ①妊娠6日~17日
  • ②3, 10, 30(静脈内)
[生殖発生に関する主な所見]
  • 全投与群
    • 母体への影響は認められなかった。
  • 10µg/kg/日以上の投与群
    • 胎児体重の低値及びそれに伴う第5胸骨未骨化の頻度増加が認められた。
  • 30µg/kg/日投与群
    • 着床後胚死亡率の増加及び腰椎・胸椎における変異所見数の増加が認められた。
[無毒性量]
  • (母動物)
    • 30µg/kg/日
  • (胎児)
    • 3µg/kg/日
[動物種]ウサギ [① 投与期間、② 投与量(µg/kg/日)]
  • ①妊娠7日~19日
  • ②0.03,0.1,0.3(静脈内)
[生殖発生に関する主な所見]
  • 0.1µg/kg/日以上の投与群
    • 流産、一過性の体重増加抑制、黄体数、着床数の減少、着床後胚死亡率の増加及び生存胎児数の減少が観察された。
  • 0.03µg/kg/日投与群
    • 胎児に外脳症、二分脊椎、眼瞼開裂及び指欠損・合指等の外表異常及び内臓異常が認められ、骨格においても関連した異常が認められた。
[無毒性量]
  • (母動物)
    • 0.03µg/kg/日未満
  • (胎児)
    • 0.03µg/kg/日未満
[動物種]ウサギ [① 投与期間、② 投与量(µg/kg/日)]
  • ①妊娠7日~19日
  • ②0.001,0.003,0.01(静脈内)
[生殖発生に関する主な所見]
  • 全投与群
    • 母体には投与に関連した死亡及び流産はなく、着床後胚死亡率を含むすべての生殖パラメータに投与による影響は認められなかった。
[無毒性量]
  • (母動物)
    • 0.01µg/kg/日
  • (胎児)
    • 0.01µg/kg/日
[試験項目]出生前及び出生後の発生並びに母体の機能 [動物種]ラット [① 投与期間、② 投与量(µg/kg/日)]
  • ①妊娠6日~分娩後20日
  • ②0.3,1,3,10(静脈内)
[生殖発生に関する主な所見]
  • 1µg/kg/日以上の投与群
    • それぞれ数例の母体に哺育行動の不良がみられ、出生児の4日生存率の低値が認められた。
  • 10µg/kg/日投与群
    • 分娩後0日の出生児の死亡増加及び体重の低値、分娩後3日の耳介展開の遅延が観察された。
[無毒性量]
  • (母動物)
    • 0.3µg/kg/日
  • (出生児)
    • 0.3µg/kg/日
安全性薬理試験3)
ラット摘出子宮
in vitro
タフルプロストカルボン酸体1~100ng/mLで最大張力増加と収縮頻度増加が、0.1~100ng/mLで静止期張力の増加が認められた。
ウサギ摘出子宮
in vitro
タフルプロストカルボン酸体1~100ng/mLで最大張力の増加が認められた。静止期張力には0.01~100ng/mLでは影響は認められなかった。

摘出子宮(ラット)で収縮作用のみられた最小濃度0.1ng/mLは臨床用量点眼投与時の推定血漿中濃度(30pg/mL未満)の約3.3倍、タンパク結合率にて換算した推定血漿中非結合型薬物濃度(0.24pg/mL未満)の約420倍に当たる。
※タプロス類を体重60kgの患者の両眼に1回1滴(30µL)を点眼投与したときの投与量(0.015µg/kg/日)

血液-胎盤関門通過性4)
ラット(妊娠12及び18日)の両眼に0.005%3H-タフルプロスト点眼液5µLを単回点眼したとき、母体の血漿中放射能濃度は点眼後15分(最初の測定時点)に、羊水及び胎児中放射能濃度は点眼後1~4時間にCmaxとなった。すべての時点において、胎児中放射能濃度は母体の血漿中放射能濃度を超えることはなかったが、タフルプロスト又はその代謝物の胎盤通過性が認められた。
妊娠12日 妊娠18日
Cmax(ng eq./g) Tmax(hr) Cmax(ng eq./g) Tmax(hr)
血漿 [血漿]
0.799
[血漿]
0.25
[血漿]
0.887
[血漿]
0.25
羊水 [羊水]
0.098
[羊水]
4
[羊水]
0.117
[羊水]
4
胎児 [胎児]
0.089
[胎児]
4
[胎児]
0.115
[胎児]
1
参考資料

[2023/04 更新]

授乳婦へ投与できますか?

A

タプロス点眼液・タプロスミニ点眼液(タプロス類)の授乳中の女性への投与は、治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を判断してください。乳児への影響が懸念される場合には授乳を中止し、人工母乳に切り替えてください。授乳を継続する場合には点眼液の全身への移行が最小限になるよう、点眼後の涙のう部圧迫および閉瞼をご指導ください。
タプロス類は授乳中の女性への使用経験はなく、乳汁を介した哺乳児に対する安全性は十分検討されていません。また、動物実験(ラット、点眼)で乳汁中への移行が認められたとの報告等があります【参考】。

【参考】
乳汁への移行性1)
ラット(授乳期)の両眼に0.005%3H-タフルプロスト点眼液5µLを単回点眼したとき、血漿中及び乳汁中放射能濃度はそれぞれ点眼後30分(最初の測定時点)及び2時間にCmaxとなり、タフルプロスト又はその代謝物の乳汁への移行が認められた。点眼後24時間にはそれぞれCmaxのおよそ1/100まで減少した。血漿中放射能濃度に対する乳汁中放射能濃度の比は、点眼後1~8時間で1を上回ったが、点眼後24時間以降では1未満であった。
Cmax(ng eq./g) Tmax(hr)
血漿 0.466 0.5
乳汁 0.262 2
生殖発生毒性試験2)
試験項目 動物種 ① 投与期間
② 投与量(µg/kg/日)
生殖発生に関する主な所見 無毒性量
[試験項目]出生前及び出生後の発生並びに母体の機能 [動物種]ラット [① 投与期間、② 投与量(µg/kg/日)]
  • ③妊娠6日~分娩後20日
  • ④0.3,1,3,10(静脈内)
[生殖発生に関する主な所見]
  • 1µg/kg/日以上の投与群
    • それぞれ数例の母体に哺育行動の不良がみられ、出生児の4日生存率の低値が認められた。
  • 10µg/kg/日投与群
    • 分娩後0日の出生児の死亡増加及び体重の低値、分娩後3日の耳介展開の遅延が観察された。
[無毒性量]
  • (母動物)
    • 0.3µg/kg/日
  • (出生児)
    • 0.3µg/kg/日
参考資料

[2023/04 更新]

小児等(新生児、乳児、幼児、小児)へ投与できますか?

A

タプロス点眼液・タプロスミニ点眼液(タプロス類)は、小児等を対象とした臨床試験は実施しておらず安全性は確立していません。治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。
投与される場合には、点眼液の全身への移行が最小限になるよう、点眼後の涙のう部圧迫および閉瞼をご指導ください。

※年齢区分(おおよその目安)
小児:7歳以上、15歳未満の児、幼児:1歳以上、7歳未満の児、乳児:生後4週以上、1歳未満の児、新生児:出生後4週未満の児、低出生体重児:出生時の体重が2500g未満の児

小児緑内障の治療

緑内障診療ガイドライン第5版 第8章 緑内障の病型別治療1)では、Ⅲ小児緑内障の一病型である1.原発先天緑内障の治療について、『治療の第一選択は手術治療である(1B)。』、また『薬物治療は周術期ないし手術治療後の補助手段として行われる(1B)。』としている。加えて、1.-2)薬物治療の項には『どの薬物も乳幼児・小児における安全性および効果についてのデータは確立していないことを忘れてはならない。』と記載している。

※【推奨の強さ】1:強く推奨する、2:弱く推奨する(提案する)
【エビデンスの強さ】A(強):効果の推定値に強く確信がある、B(中):効果の推定値に中程度の確信がある、C(弱):効果の推定値に対する確信は限定的である、D(とても弱い):効果の推定値がほとんど確信できない

参考資料
  • 1)日本緑内障学会緑内障診療ガイドライン改訂委員会:日本眼科学会雑誌 126,85(2022)【66595】
【関連するQ&A】

[2023/04 更新]

安全性

虹彩色素沈着が重大な副作用に設定された理由について教えてください。虹彩色素沈着が起きた場合はどのような処置が必要ですか?

A

タプロス点眼液・タプロスミニ点眼液(タプロス類)などのFP受容体作動薬による虹彩色素沈着は非可逆的な経過をたどるおそれがあるため、重大な副作用に設定しました1)。早期発見及び処置のため、重要な基本的注意にも定期的な診察等、使用中の注意と症状があらわれた際の処置を記載しています2)
タプロス点眼液の承認時および特定使用成績調査における副作用発現状況はこちらをご覧ください。

(副作用発現状況一覧表はMedDRA-J/version18.1の基本語を使用しており、虹彩色素沈着と虹彩色素過剰は同義です)

虹彩色素沈着が起きた場合はどのような処置が必要ですか?

虹彩の色調変化は投与中止後も消失しないおそれがあるため、症状があらわれた場合は臨床状態に応じて投与を中止する等の処置を行ってください。

また、日本人に多い暗褐色の単色虹彩の患者さんでは変化がわかりにくい可能性があるため、早期発見及び処置のため定期的に診察し、十分に観察してください。

参考資料

[2023/04 更新]

眼瞼色素沈着や睫毛の異常が起きたときには、投与を中止したほうがよいですか?予防する方法はありますか?

A

タプロス点眼液・タプロスミニ点眼液(タプロス類)により発現した眼瞼色素沈着や睫毛の異常は、投与中止後徐々に消失、あるいは軽減する可能性があり、投与を中止するのが望ましいと考えます1)。ただし、眼圧コントロールができていて、患者さんが投与継続を望まれる場合には、眼瞼皮膚など眼周囲に付着した点眼液のふき取りや洗顔を徹底してしばらく様子をみてもよいと考えます。タプロス類の投与を中止するかどうかは、患者さんとよく相談してご判断ください。

予防する方法はありますか?

眼瞼色素沈着および睫毛の異常はFP受容体作動薬に共通してみられる副作用で、点眼液の接触が原因です。予防や軽減のため、点眼液が眼の周りについたときにはよくふき取るか、洗顔を指導してください。

他のFP受容体作動薬では、点眼後のふき取りを徹底することにより眼瞼の色素沈着や睫毛の異常が減少したという報告があります2)

また早期発見のため、患者さんを定期的に診察し、十分観察してください。

参考資料

[2023/04 更新]

製剤

タプロスミニ 貯法が遮光、2~8℃である理由を教えてください。

A

タプロスミニ点眼液の容器の材質や形状の特性により、主成分であるタフルプロストが光に対して不安定になりやすく、かつ高温下ではタフルプロストが容器内面に吸着しやすくなるため、「遮光、2~8℃保存」としています。
アルミピロー包装開封後は、添付の遮光用投薬袋に入れて2~8℃で保存し、1年以内に使用してください。室温で保存した場合には1ヵ月以内に使用してください。
安定性については【参考】をご覧ください。

※タプロスミニ点眼液の容器の材質はポリエチレン(PE)、タプロス点眼液はポリプロピレン(PP)です。

【参考】
タプロスミニ点眼液の安定性1)
試験 保存条件 保存期間 保存形態 結果
[試験]長期保存試験
長期保存試験

[保存条件]

5℃/成り行き湿度

[保存期間]

36ヵ月

[保存形態]

アルミピロー包装

[結果]

規格内※1
[試験]加速試験
加速試験

[保存条件]

25℃/60%RH

[保存期間]

6ヵ月

[保存形態]

アルミピロー包装

[結果]

規格内※1
[試験]苛酷試験(光)
苛酷試験

[保存条件]

25℃

[保存期間]

60万lx・hr

[保存形態]

ディスポーサブル用点眼容器(アルミピロー包装・箱なし)

[結果]

規格外※2 (類縁物質含量の増加が認められた。)

[保存期間]

60万lx・hr

[保存形態]

アルミピロー包装

[結果]

規格内※2
[試験]アルミピロー包装開封後の安定性
アルミピロー包装開封後の安定性

[保存条件]

30℃/65%RH

[保存期間]

1ヵ月

[保存形態]

ディスポーサブル用点眼容器(投薬袋・アルミピロー包装なし、箱入り)

[結果]

規格内※2

[保存条件]

5℃/成り行き湿度

[保存期間]

12ヵ月

[保存形態]

ディスポーサブル用点眼容器(遮光用投薬袋入り、アルミピロー包装・箱なし)

[結果]

規格内※2

充填量:0.3mL(ディスポーザブル用点眼容器)

※1 測定項目:性状、確認試験、pH、浸透圧比、不溶性異物、不溶性微粒子、無菌、含量、純度試験(類縁物質)
※2 測定項目:性状、pH、浸透圧比、不溶性異物、含量、純度試験(類縁物質)

参考資料

[2023/04 更新]

服薬指導

タプロス コンタクトレンズを装用したまま使用してもよいですか?

A

コンタクトレンズ(CL)装用中の点眼可否は一概に決められるものではありません。眼の状態を十分に観察し、アドヒアランス等も考慮して、患者さんごとにタプロス点眼液の点眼可否をご判断ください。
原則的にはハード・ソフトを問わず、いずれのCLもはずして点眼し、少なくとも5~10分間の間隔をあけて再装用することが望まれます。ただし、一般的には眼表面に疾患がなく、CLを装用できる状態であれば、ハードCL(酸素透過性CLを含む)装用者が使用する場合は、そのまま点眼可能と言われています。
タプロス点眼液は1日1回点眼ですので、CL装用中の点眼を避けるための工夫として、朝CLを装用する前に点眼するか、あるいは、夜CLをはずした後に点眼するといった方法があります。

【注意】
点眼可否を判断する基準が定められていない現状では、点眼剤の剤型やCLの種類だけで決めることは難しく、製薬会社、CL販売会社などによっても見解が異なる場合があります。
【関連するQ&A】

[2021/12 更新]

タプロスミニ コンタクトレンズを装用したまま使用してもよいですか?

A

タプロスミニ点眼液は防腐剤を含有していませんが、主薬や添加剤のコンタクトレンズ(CL)に対する影響は検討していません。そのため、眼の状態を十分に観察し、アドヒアランス等も考慮して、患者さんごとに点眼可否をご判断ください。
原則的にはハード・ソフトを問わず、いずれのCLもはずして点眼し、少なくとも5~10分間の間隔をあけて再装用することが望まれます。ただし、一般的には眼表面に疾患がなく、CLを装用できる状態であれば、ハードCL(酸素透過性CLを含む)装用者が使用する場合は、そのまま点眼可能と言われています。
タプロスミニ点眼液は、タプロス点眼液と同じく1日1回点眼ですので、朝CLを装用する前に点眼する、あるいは、夜CLをはずした後に点眼することも一法です。

【注意】
点眼可否を判断する基準が定められていない現状では、CLの種類だけで決めることは難しく、CL販売会社などによっても見解が異なる場合があります。
【関連するQ&A】

[2023/04 更新]

タプロスミニ 開封時、点眼せずに1~2滴捨てる理由を教えてください。

A

容器を開封した時に生じるプラスチック破片が、容器の開封口に付着している可能性があります。
点眼時の破片の混入を回避するため、タプロスミニ点眼液の開封時は最初の1~2滴を捨てるよう注意喚起しています。

[2019/03 更新]

タプロスミニ 1本で両眼に点眼できますか?

A

タプロスミニ点眼液は1本で両眼に点眼可能です。
なお、タプロスミニ点眼液は防腐剤を含有していないシングルユース(1回使い捨て)タイプの点眼液です。余った液は残さず、すみやかに破棄してください。

[2019/03 更新]

その他、点眼剤の全般的な服薬指導についてはこちらをご覧ください。

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