製品・安全性 よくあるご質問
- ここに掲載のQ&Aは、医療従事者向けの内容です。
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従いまして、 Q&Aの利用によって生じた結果については、責任を負いかねますのでご了承ください。なお、製品のご使用に当たっては、最新の電子添文/添付文書をご確認ください。 - 製品に関してご不明な点がございましたら、弊社お問い合わせ窓口又は弊社担当MRにお問い合わせください。
フルメトロン / サンテゾーン / サンベタゾン
効能・効果
薬剤の種類による抗炎症効果の違いについて教えてください。
ステロイド点眼剤(点眼液、眼軟膏)の抗炎症効果を臨床的に比較する試験方法が確立していないため、点眼剤では、皮膚外用剤や全身投与剤のような抗炎症作用の強さを示す明確なランク付けはされていません。基礎実験(ウサギ)では、ベタメタゾン、デキサメタゾン、フルオロメトロンの抗炎症効果1)、あるいはデキサメタゾンとフルメトロンの抗炎症効果2)は同等であることを示唆する報告があります。一方で、エビデンスは示されていませんが、『臨床的にはベタメタゾン>デキサメタゾン>フルオロメトロンの順で抗炎症効果が強いという印象がある』3)、『臨床の場では、角膜への浸透性や角膜通過時の代謝による違いなどを考慮し、薬剤の性質や濃度などを参考に、眼炎症に対するステロイド点眼薬の作用の強さの目安を決め、炎症の重症度に応じ使い分けている』、また『ベタメタゾンやデキサメタゾンは強いステロイド点眼薬、フルオロメトロンは中等度から弱いステロイドと位置づけられている』といわれています4)。
- 参考資料
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- 1)Yamauchi H. et al.:Jpn. J. Ophthalmol. 22, 243(1978)【51526】
- 2)山内秀泰他:日本眼科紀要 24, 969(1973)【51525】
- 3)眼科診療プラクティス42 p.27、文光堂(1999)
- 4)高村悦子:アレルギー 58, 613(2009)
[2020/09 更新]
フルメトロン 0.02%と0.1%の使い分けについて教えてください。
以下に示すように、フルメトロン点眼液0.02%と0.1%の効能・効果は一部異なります。フルメトロン点眼液0.02%には前眼部※への適応はありません。
フルメトロン点眼液0.1% | |
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フルメトロン点眼液0.1% | 外眼部および前眼部の炎症性疾患(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、虹彩炎、虹彩毛様体炎、ブドウ膜炎、術後炎症等) |
フルメトロン点眼液0.02% | |
フルメトロン点眼液0.02% | 外眼部の炎症性疾患(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎等) |
フルメトロン点眼液0.1% | |
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フルメトロン 点眼液0.1% |
外眼部および前眼部の炎症性疾患(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、虹彩炎、虹彩毛様体炎、ブドウ膜炎、術後炎症等) |
フルメトロン点眼液0.02% | |
フルメトロン 点眼液0.02% |
外眼部の炎症性疾患(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎等) |
それ以外の共通する適応疾患において濃度別の使い分けの基準は特にありません。フルオロメトロンの抗炎症効果や副作用の眼圧上昇作用は他のステロイドと同様、濃度依存的です。よって、疾患の種類やその重篤度等を総合的に判断して使い分けをしてください。
なお、ステロイド点眼剤による治療は、できるだけ低用量で、必要な期間だけ行うことが原則とされています。いずれの濃度を使用する場合でも、副作用の発現を未然に防ぐため、使用中は患者さんの定期的なモニタリングが必要です。
※前眼部:虹彩、毛様体、脈絡膜(ブドウ膜はこれらの総称)
外眼部:眼瞼、結膜、角膜、強膜
参考 目の構造とはたらき(イラスト)
[2019/03 更新]
特殊背景患者
フルメトロン 妊婦へ投与できますか?
フルメトロン点眼液は妊婦への使用経験が少なく、安全性が確立していません。長期、頻回投与は避けてください。
投与される場合には、点眼液の全身への移行が最小限になるよう、点眼後の涙のう部圧迫および閉瞼をご指導ください。
[2018/09 作成]
フルメトロン 授乳婦へ投与できますか?
フルメトロン点眼液の授乳婦への投与については、患者さんごとに病状や乳児の安全性を鑑み、ご判断ください。
なお、フルメトロン点眼液の投与で乳児への影響が懸念される場合には授乳を中止し、人工母乳に切り替えてください。授乳を継続する場合には、点眼液の全身への移行が最小限になるよう、点眼後の涙のう部圧迫および閉瞼をご指導ください。
[2018/09 作成]
小児等(新生児、乳児、幼児、小児)へ投与できますか?小児は成人よりも副作用の眼圧上昇は起こりやすいですか?
ステロイド点眼剤の小児等への投与は可能ですが、乳児・小児に対する使用経験が少なく、安全性は確立していません。小児等へステロイド点眼剤を投与する際は、副作用の発現に十分注意してください。
特に2歳未満の場合には、慎重に投与してください。
※年齢区分(おおよその目安)
小児:15歳未満、幼児:7歳未満、乳児:1歳未満、新生児:出生後4週未満、低出生体重児:体重2500g未満
小児は成人よりも副作用の眼圧上昇は起こりやすいですか?
小児は成人に比べステロイド点眼剤に対する眼圧反応性の高い人が多い(ステロイドレスポンダーの割合が高い)ことが報告されています1)(海外データ)2)。そのため、小児にステロイド点眼剤を投与する際は、定期的な眼圧測定をお願いします。
- 参考資料
-
- 1)大路正人他:臨床眼科 46, 749(1992)【10470】
- 2)Ng J. S. et al.:Ophthalmology 107, 2097(2000)【61440】
- 【関連するQ&A】
[2019/03 更新]
安全性
副作用の眼圧上昇はどのような人に起こりやすいですか?どの程度の期間投与したら眼圧が上昇するのですか?
ステロイド点眼剤による眼圧反応性(上昇度)には個人差があります。その要因として年齢や合併症の有無等が知られ、たとえば小児は成人に比べ、あるいは開放隅角緑内障や糖尿病患者、強度近視者等は健常人に比べ、眼圧が上昇しやすいと言われています。また、ステロイド点眼剤による眼圧上昇はこれら投与を受ける生体側の要因だけでなく、薬剤側の要因、すなわち投与するステロイド点眼剤の種類や濃度、投与期間等によっても影響を受けます。
眼圧上昇が生じるまでの投与期間は、先に述べたように、ステロイド点眼剤による眼圧反応性に個人差があるため、予測することはできません。早期発見、処置のため、ステロイド点眼剤による治療中には、定期的な眼圧検査が必須です。
- 参考資料
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- 1)緑内障 p.262、医学書院(2004)【61403】
- 2)眼科プラクティス11.緑内障診療の進めかた p.53、文光堂(2006)【61402】
- 3)田中昌代他:日本病院薬剤師学会雑誌 34, 457(1998)【10738】
[2019/03 更新]
製剤
フルメトロン 取扱上の注意に、『上向きに保管すること』と記載がある理由を教えてください。上向き保管しない場合、どのようなことが懸念されますか?
一般に水性懸濁性点眼液は、静置すると懸濁粒子が容器の底に沈降して層の状態になります。この沈降した懸濁粒子の層が液中に存在する場合、懸濁粒子は容器を振り混ぜると容易に再分散します。この状態を維持するために医療機関ではフルメトロン点眼液は上向きに保管してください。
上向き保管しない場合、どのようなことが懸念されますか?
懸濁粒子が点眼容器の底面や側面に吸着するおそれがあります。それは、次のような2段階のステップで発生すると考えられます。
1. | 製品を同じ状態で長時間保管すると懸濁粒子は時間とともに沈んで堆積層を形成します。ただし、この堆積層は液中に存在する限り振り混ぜると容易に再分散します。 |
2. | 堆積層が形成された後、製品の保管の向きを(正立から倒立などへ)変えて長期間保管する、すなわち堆積層が空気にさらされた状態で長期間維持されると堆積層は乾燥状態となり、懸濁粒子がくっついたり、容器に固着したりします。その結果、懸濁粒子が点眼容器の底面や側面に吸着し振り混ぜても容易に再分散しなくなることがあります。 |
[2019/03 更新]
服薬指導
フルメトロン コンタクトレンズを装用したまま使用してもよいですか?
ハード・ソフトを問わず、いずれのコンタクトレンズ(CL)もはずしてフルメトロン点眼液を点眼し、少なくとも5~10分間の間隔をあけて再装用することが望まれます。
フルメトロン点眼液は懸濁性点眼液です。懸濁粒子を含む点眼液では、主薬や添加物のCLに対する影響だけでなく、懸濁粒子の眼内動態や、角膜やCLに対する機械的侵襲についても考慮する必要があります。フルメトロン点眼液はこれらについて十分な検討を行っていません。
- 【関連するQ&A】
[2021/09 更新]
その他、点眼剤の全般的な服薬指導についてはこちらをご覧ください。
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