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No.1プレゼンター ~発表できるんです~

No.1プレゼンター ~発表できるんです~ 【準備編】 第1回

第1回 プレゼンテーションソフトの特徴と比較

資料を作成するためのツールとして、PowerPoint、Keynote、Preziの概要をご紹介します。
自分の使いやすいツールを見つけて、操作に慣れましょう。
さらに、資料作成の前に準備しておくことについて、資料作成コンサルタントの山橋美穂さんが解説します。

著者山橋美穂ビジネスアシストパートナ株式会社 代表取締役<br />プレゼンテーション資料作成アドバイサー・コンサルタント
<著者プロフィール>
山橋美穂

ビジネスアシストパートナ株式会社 代表取締役
プレゼンテーション資料作成アドバイサー・コンサルタント

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こんにちは。資料作成コンサルタントの山橋美穂です。

私は以前、外資系証券会社の法人に向けてM&Aや資金調達などを提案する投資銀行本部で資料作成専門チームの一員として働いていました。毎日分刻みで膨大な量の資料を作成し実務でスキルを培い、その後、さらに腕を磨くため証券会社を辞めてベンチャーやIR企業などで研鑽を積み、2012年に資料作成のプロフェッショナルとして独立しました。


この「プレゼンター~発表できるんです~【準備編】」では、全4回に渡り、先生方が発表の際に使用するスライド資料の作り方についてご紹介したいと思います。

各プレゼンテーションソフトの概要

ではまず、資料を作成するためのツールを紹介します。資料を作るにもツールを使いこなせなければ作成ができませんから、自分の使いやすいツールを見つけて操作に慣れましょう。

1. PowerPoint
Microsoftがリリースしている、Officeシリーズの中のプレゼンテーション資料を作成する最も代表的なソフト。
特徴
  • スライド作成、発表、プレゼンテーションを録画し動画ファイル作成が可能
  • イラスト作成・アニメーション設定、動画編集ができ、グリーティングムービーやプロフィール動画なども作成可能
  • アドインで簡単に機能拡張でき、オリジナルPowerPointを設定可能
  • シェアが広く、安心してファイルを共有できる
2. Keynote
Appleがリリースしているスライド作成ソフト。iCloudを利用することでWindowsパソコン上でも使用可能(機能制限付き)。PowerPointとも互換性がある。
特徴
  • 操作がシンプルで分かりやすい
  • アニメーションに長けていて、3DなどPowerPointにはない動きが設定できる
  • ビジュアル系コンテンツが豊富
  • オリジナルの図形をマイライブラリとして保存できる
  • 実用的なレイアウトのパターンが多く、資料作成初心者向け
3. Prezi
海外で人気を伸ばしている、オンライン用のスライド作成ソフト。インターネットのブラウザでのみ使用可能。金額によってプランが違い、有料の中にはオフラインで作業できるプランもある。
特徴
  • 1枚のスライド上でコンテンツを作り、各コンテンツがクローズアップされる構成
  • 複雑なアニメーションを組む必要がない
  • 表やグラフは使用できず、印刷にも不向きなため、あくまで物語重視の発表向き
  • 「スライド」という概念に慣れている人は、使い慣れるまでに少し時間が必要

この他にも様々なスライド作成ツールがリリースされています。用途によってソフトを変えたり、得意なソフトを見つけるなどして、スライド作成がスムーズに行えるようにしましょう。

資料作成の前に準備しておくこと

資料を作る時、いきなりソフトを立ち上げてコンテンツを作成しようとすると、画面とにらめっこをしているうちに時間だけが過ぎてしまったり、まとまりのない資料になりかねません。なぜなら、ストーリーの道筋が決まっていなければ、作成の途中でどのような情報を記載すればいいのか迷ったり、スライドの前後関係の繋がりが悪かったりして、ただひたすらに関連した情報がダラダラと続く資料になるからです。


資料を作るときには、最初に「マーケットの現状」→「問題点」→「解決策」→「商品概要」→「商品のメリット」→「まとめ」などのように構成を作りましょう。そのためには、「なぜその資料を作成するのか」を明確にして下さい。「商品を購入して貰うため」に資料を作成するのか「説明を理解して貰うため」なのか、資料作成の目的を明確にすれば、その目的を達成するためにストーリーを作ればいいのです。臨床研究の結果を理解してもらうために資料を作るのか、症例報告のために資料を作るのかなど、目的を紙に書き出し、それを果たすにはどのような構成にすればいいのかを考えて下さい。構成も、紙に書きだすことで、整理がしやすくなります。

私の考える「わかりやすい資料」の特徴とは

どんな目的で資料を作成するにしても、資料を通して「伝える」ということに例外はありません。発表をするには「伝える」ことがファーストステップであり、資料は伝わらなければ意味がありません。つまり、「わかりやすい資料」とは「伝わる資料」です。伝わる資料には幾つか特徴があります。

  • ストレートであること
  • シンプルであること
  • 情報の過不足がないこと

この3つが守られていれば、読んで分かりやすい資料になります。

具体例



「ストレートであること」「シンプルであること」「情報の過不足がないこと」を意識してリメイクした資料

  • 「生徒数の割合」のグラフから、実際の生徒数を削除 → 割合を見やすくし、「中型の音楽教室」の生徒が一番多いことをわかりやすく提示
  • 音楽教室のロゴを削除 → 規模がわかれば十分であるため
  • Pointの記載内容をカテゴリー分け → 内容ごとに分けて項目を付け、関係性を図解

ストレートであること
伝えたいことが遠回しに書かれていると、誤解が生じやすくなります。主張したいことをはっきりと、明確に伝えることで、意図が確実に伝わり、理解が促されます。

 

シンプルであること
1枚のスライドに情報を詰め込めば詰め込むほど、そのスライドを通して伝えたいことが複雑になってしまいます。頭の中で複数の情報を処理するためには、それだけ時間がかかるからです。情報は、余計なモノを削ぎ落して、頭の中でできるだけ早く処理ができるよう、簡素化しましょう。

 

情報の過不足がないこと
資料を配布する理由は何でしょうか。多くの場合、その場にいなかった人も情報を共有できるよう、または持ち帰って読み返し理解を深めてもらえるよう、資料を配ります。それなのに、資料の情報が不足していたらどうでしょうか。読み返したとしても、しっかり理解してもらうのは難しいでしょう。また情報が多すぎても、前述した通り複雑になってしまい、そこに書かれている本来の意図を見失ってしまう可能性があります。資料に載せる情報は過不足がないように注意しましょう。

次回は、最も汎用されているプレゼンテーションソフト「PowerPoint」の使い方についてご紹介します。

著者山橋美穂ビジネスアシストパートナ株式会社 代表取締役<br />プレゼンテーション資料作成アドバイサー・コンサルタント

<著者プロフィール>
山橋美穂

ビジネスアシストパートナ株式会社 代表取締役
プレゼンテーション資料作成アドバイサー・コンサルタント

1999年青山学院女子短期大学卒業、2006年武蔵野美術大学卒業。
武蔵野美術大学在学中より、外資系である日興シティグループ証券株式会社のプレゼンテーション資料作成チームに就業。実務にて法人企業向け資料の作成スキルを身につける。その後、経験を活かして独自に専門的な資料作成の知識を学びながら、ベンチャー企業やIR企業にて提案書や決算報告書作成の経験を積む。
2012年に資料作成の専門家としてフリーランスに転向。資料作成代行、アドバイザー、レクチャー講師等を行いながら、ヴィジュアルを重視した絵で見るプレゼンテーション資料の構築を目指している。
2017年5月、ビジネスアシストパートナ株式会社を設立。

<著書>
電子書籍『スティーブ・ジョブズのプレゼン資料はなぜスゴイのか』(ゴマブックス、2014)
電子書籍『資料作りが苦手でも時短テクニックが身につくPowerPoint最速仕事術』(ごきげんビジネス出版、2019)

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