本書は、緑内障の診断から治療全般が凝縮された1冊です。

解剖、生理、病態・病型、診断（検査）、治療等、項目を詳細に分け詳しく解説されていますので、わからないことが出てきたときに、おおいに役立ちます。

緑内障専門外来に従事する際は、診断から治療に関する基礎的な知識を習得する必要があるため、さっと調べることができる本書がとても便利です。

さらに、古いものから近年投稿されたものまで、多くの幅広い論文が引用されており、緑内障学の歴史を感じることができます。

私にとって、日本語で知っている名称や表現が、英語ではどのように表現されているのかを学べたことが本書から受けた大きな恩恵です。そのおかげで、英語論文の内容把握や、海外の医師や研究者とのディスカッションをスムーズに進められたと実感しています。

値段が高く、本のサイズが大きいため場所を取ってしまうことがやや難点ですが、持ち運びが容易なKindle版もあるので、緑内障について知りたい情報がすぐに手に入る教科書としておすすめです。

自動静的視野検査は、眼科外来において重要度の高い検査です。しかし、「測定プログラムのどれを選択したら良いのかわからない」、「検査結果のプリントアウトを見ても数値がたくさん書いてあり、結局はグレースケールとMD（mean deviation）値だけしか見ていない」といった経験をお持ちの先生も多いのではないでしょうか。

こちらはサイトに氏名等を登録することで、PDFをダウンロードできます。SITA-Standard等の開発者が自ら、自動静的視野計（ハンフリー視野計）を用いた視野検査の原理や自動静的視野計の仕組み、測定プログラムの違いや結果の各パラメータの解釈の違いについて解説しており、自動静的視野検査についての基本を知りたい方のみでなく、深く視野検査について知りたい先生にもぴったりです。近年開発されたSITA-Faster、24-2C測定点についても触れられているため、視野検査を行う際の測定理論を学ぶことができます。

検査オーダーの際、検査原理を知っておくと疾患に応じて知りたい情報を”狙って”検査が行えます。英語版でしか読めないのが難点ですが、一読の価値があると思います。

眼科全般に対するスタンダードな術式を、動画を用いて学ぶことができる1冊です。実際の手技をWeb動画で見ることができ、これから眼科手術を学びたい、サブスペシャルティを持ちたい、手術に強い興味がある等、さまざまなニーズに応じて興味を持ってもらえる内容が掲載されています。

眼科医として働いていると、眼科手術に携わる機会は必ずあるのではないでしょうか。助手として、執刀医として手術に携わる際、術式の基本手技を押さえておくことは必須ですので、本書を持っておいて損はありません。

他にも各領域に特化した手術解説書はありますが、眼科術式全般を動画と共に学べる稀有な1冊のため、おすすめします。