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眼科医の書棚 ~先輩Drおすすめコンテンツ~

眼科医の書棚 ~先輩Drおすすめコンテンツ~ Vol.5

vol.5 OCT・網膜の画像付き解説書/学会の英語発表に役立つ1冊

信州大学医学部眼科学教室 講師の平野 隆雄先生より、美しい画像によるOCT解説書、眼科医必携の網膜リファレンス、学会の英語発表に役立つ英会話集をご紹介いただきました。

選者平野 隆雄先生信州大学医学部眼科学教室 講師
<選者>平野 隆雄先生
信州大学医学部眼科学教室 講師
※2022年6月現在

1.『OCT眼底診断学 第3版』

OCTを診断にどう役立てるかを主眼に、多くの疾患を美しい画像とともに解説

ジャンル:書籍・イメージング

タイトル:『OCT眼底診断学 第3版』(B5判/384頁)

編集:岸 章治
出版社:エルゼビア・ジャパン
出版年:2014年
ISBN:978-4860342968

本書は、「OCTを診断にどう役立てるか」を主眼にして、非常に美しいOCT画像を用い多くの疾患を解説しています。また、ただの実用書にとどまらずOCTの歴史や基礎理論の解説が充実している点も大きな特徴です。

 

OCTの理論については多くの解説書がありますが、読んでもわかったようなわからないようなものが多いと感じていました。そんな中、本書では編者の岸先生が序文で「自分が理解できないことは書かない」と宣言されているとおり、基礎理論についても非常にわかりやすく解説されています。基礎理論を学ぶことでOCT特有のアーチファクトがなぜおこるかなどが理解でき、臨床の場でも読影の精度が上がるのではないかと感じています。ところどころに登場する「CSCではなぜ視力がよいのか」といったコラムがどれも秀逸なため、若手の先生に“ウンチク”として披露し活用させてもらっています。


今やOCTは眼科の日常診療に欠かせない検査となっており、黄斑前膜や黄斑円孔などはOCTを見れば一発で診断が可能です。ただ、そこで満足するのではなく、網膜硝子体界面の状態や、なぜその病態が発生したのかなどについて踏み込んで考えることのおもしろさを教えてくれる1冊です。

2.『Ryan's Retina 6th edition』全3巻

豊富な画像とシェーマで網膜に関する最新知見を解説した、眼科医必携のリファレンス

ジャンル:書籍・網膜

タイトル:『Ryan's Retina 6th edition』全3巻(24.13 x 29.21 cm/2976頁)

編集:Andrew P. Schachat
出版社:Elsevier
出版年:2017年
ISBN:978-0323401975

Doheny Eye Instituteの故Stephen J. Ryan教授の名を冠した専門書で、網膜に関する最新の知見が豊富な画像とシェーマを用いて解説されています。


当科の村田敏規教授が執筆にかかわられたということで興味を持ち、初めて読んだ英語の成書です。“Retinal Imaging and Diagnostics, Basic Science and Translation to therapy”、“Medical Retina”、“Surgical Retina”の3分冊となっており、網膜に焦点を絞ってそれぞれ違う切り口で疾患を解説しています。第6版では留学先で指導してくださったSriniVas R. Sadda教授が“Retinal Imaging and Diagnostics”を編集されており、なんとなく縁を感じる1冊です。本書はeBook(ISBN: 9780323401982)にも対応しているため、外来でよくわからない網膜疾患があるときには、“Retinal Imaging and Diagnostics”で同じような眼底写真をこっそり探したりもしています。


装丁がとても重厚で医局の本棚に置くだけで賢く見えるという利点もありますし、パラパラと画像を眺めるだけでも楽しいので、網膜専門医を目指す先生はもちろん若い先生にもおすすめしたい1冊です。

3.『テツヤ、国際学会いってらっしゃい』

国際学会での英語発表に役立つ、肩肘張らずに読める1冊

ジャンル:書籍・英会話/学会発表

タイトル:『理系英会話アクティブラーニング1 テツヤ、国際学会いってらっしゃい~発表・懇親会・ラボツアー編』(A5版/200頁)

著者:Kyota Ko、Simon Gillett
監修:近藤科江、山口雄輝
出版社:羊土社
出版年:2014年
ISBN:978-4758108454

国際学会での発表で必要となるであろう英会話が場面別に紹介されています。ここまではよくある内容ですが、学会前・発表・質疑応答に加え、懇親会・ラボ案内でのやりとりについても具体的な例文が掲載されていて参考になります。

 

初めての英語発表となると、何から手をつけてよいかわからずパニックになってしまうかもしれません。そんな中、ゆるい感じで場面場面で役に立つフレーズがいくつも紹介されており、ほっとする本です。また、発表はなんとか終了しても、その後の懇親会などで何をしゃべったらよいかわからず、壁の花になってしまう状況をしばしば経験します。そんなときには第4章の“懇親会で自然にふるまう”が役立ちます。外国の方の名前と顔を覚えるのが苦手な私は今でも、この本に載っている“I don't think we've met”で会話を始めています。

 

眼科医になって、地方会で2~3回、全国学会で1~2回発表を無事終了。そのうち1つの内容の評判がよく、教授から国際学会で発表してみては?と言われたら。そんなときに肩肘張らずに読める、おすすめの書籍です。

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