マイボーム腺は脂質を産生する分泌腺であり、その開口部は上下の眼瞼縁に位置する。このマイボーム腺から分泌された脂質は、涙液油層を形成して涙液の蒸発を阻止する。したがって、マイボーム腺機能不全などで脂質分泌に異常が生じると、蒸発亢進型ドライアイが引き起こされ、日常診療で遭遇するさまざまな不定愁訴の原因となる。マイボーム腺内で細菌増殖や炎症が生じると、霰粒腫や眼表面炎症を生じることになる。さらに、日常診療で見逃してはならないものに、マイボーム腺に起因する脂腺癌がある。
　本ビデオでは、マイボーム腺の役割、マイボーム腺の検査法、そしてマイボーム腺疾患の診断と治療法について最新の見方・考え方を纏めて紹介する。