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緑内障手術件数の動向
緑内障手術の動向1)2)
厚労省統計調査をもとに、緑内障手術数について集計しました。
1.病院と診療所で算定回数が多かった手術項目
病院では、流出路再建術が8位、濾過手術が10位に入っていました。
2.緑内障手術の年次推移
緑内障手術の実施回数はコロナ禍の影響を受けた2020年を除き、年々増加しています。
2022年はこれまででもっとも多い実施回数でした。
また年齢階級別にみた場合は、70歳以上高齢者の伸長率が高くなっていました。
3.緑内障手術 術式ごとの状況
術式ごとの実施回数では、流出路再建術の実施回数がもっとも多く、2018年1,911回/月から2022年3,291回/月と1.7倍増加していました。
実施回数の多かった、流出路再建術と濾過手術の年齢階級別年次推移では、前年度と比較して、流出路再建術が70代、濾過手術では80代の伸長率が高くなっていました。
令和4(2022)年 眼手術実施回数 -施設別1)
2022年6月審査分 眼科関連で算定回数が多かった手術項目。
2018~2022年 緑内障手術実施回数 同月比較1)
2020年コロナ禍以外は毎年増加、2022年はもっとも多い実施回数でした。
緑内障手術は7項目の術式があります
- 1 虹彩切除術
- 2 流出路再建術
- イ 眼内法
- ロ その他のもの
- 3 濾過手術
- 4 緑内障治療用インプラント挿入術(プレートのないもの)
- 5 緑内障治療用インプラント挿入術(プレートのあるもの)
- 6 水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術
- 7 濾過胞再建術(needle法)
※各点数は緑内障手術 診療報酬点数をご参照ください
2018~2022年 緑内障手術 年次推移 -年齢階級別1)
年齢階級別にみた場合、2020年を除いてほとんどの年齢層で増加していました。
とくに、2022年は70歳以上高齢者の伸長率が高くなっていました。
緑内障手術 術式ごとの年次推移 -施設別3)
緑内障手術の内訳は、流出路再建術がもっとも多く、2018年から2022年は1.7倍に増加しています。
※総数には、データ上で病院、診療所別を取得できなかったものが含まれています
2018~2022年 流出路再建術/濾過手術 年次推移 -年齢階級別1)
NDB緑内障手術年間回数 地域のようす2)
都道府県別 緑内障手術2019~2021年度比較 年間の実施回数です。
【単位:回/年】集計期間は毎年4月~3月( )カッコ内は前年度比
参考情報
緑内障手術 診療報酬点数4)
令和4(2022)年度診療報酬改定において、赤枠の項目が新設されました。
※2022年より前の統計データには、新設項目が含まれていません。
社会医療診療行為別統計の概要1)
本統計は、医療保険制度における医療の給付の受給者に係る診療行為の内容、傷病の状況、調剤行為の内容、薬剤の使用状況等を明らかにし、医療保険行政に必要な基礎資料を得ることを目的としています。
- 統計の沿革
- 本統計は、昭和30年から実施された「社会医療調査」が前身である。
平成27年から全ての集計対象がNDBに蓄積された診療報酬明細書及び調剤報酬明細書となったことに伴い、統計法における一般統計調査である「社会医療診療行為別調査」を中止し、行政記録情報を用いた公的統計である「社会医療診療行為別統計」として作成することとなった
- 調査期間
毎年6月審査分
- 全国の保険医療機関及び保険薬局から社会保険診療報酬支払基金支部及び国民健康保険団体連合会に提出され、6月審査分として審査決定された医療保険制度の診療報酬明細書及び調剤報酬明細書のうち、NDBに蓄積されているもの全てを集計対象とした
- 集計事項
-
- 診療報酬明細書
- 年齢、傷病、診療実日数、診療行為別点数・回数及び薬剤の使用状況等
- 調剤報酬明細書
- 年齢、処方箋受付回数、調剤行為別点数・回数及び薬剤の使用状況等
出所
- 1)平成30年~令和4年 社会医療診療行為別統計|厚生労働省ホームページ
- 2)第7回 NDBオープンデータ|厚生労働省ホームページ
- 3)平成30年~令和4年 社会医療診療行為別統計|厚生労働省ホームページを改変
- 4)令和4年度診療報酬改定について|厚生労働省ホームページ
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