医療ナレッジ 眼科と経営
眼疾患一日あたり推計患者数
令和2(2020)年患者調査の概況1)
1.眼疾患の割合 -どのような疾患で受診?-
調査日(ある一日)における眼疾患の受診割合を、病院と診療所で比較しました。
病院は白内障+緑内障の割合が半数を占めており、手術や専門医への受診によるものと推察されます。
一方で、診療所は、緑内障・白内障のほか、屈折及び調節の障害・結膜炎・涙器の障害の割合が多くなっていました。
2.眼疾患の推計患者数推移
2008年から過去4回分の患者数推移を集計しました。
2020年は涙器の障害を除き、全体的に減少しており、コロナ禍の影響が伺えました。
涙器の障害以外では緑内障が増加傾向を示していました(2020年を除く)。
3.眼疾患における平均受診間隔の状況
白内障において、病院と診療所で、平均診療間隔日数に大きな開きがありました。
病院では、診療所よりも術前/術後の診察の割合が多いためと推察されます。
※患者調査の実施時期及び標本数等については、患者調査の概要をご参照ください
眼疾患の割合 -どのような疾患で受診?-1)
白内障・緑内障・屈折及び調節の障害の割合が多く、病院と診療所では構成比の順序やパーセントが異なります。
眼疾患の推計患者数推移 病院の外来+入院1)
2020年は涙器の障害*以外は、全体的に減少しており、コロナ禍の影響が伺えます。
2020年までは、白内障は横ばい、緑内障は増加傾向を示していました。
*「涙器の障害」に含まれる保険診療上の病名は患者調査の概要をご参照ください
眼疾患における平均受診間隔の状況1)
手術が多い病院では受診間隔が短く、術後は紹介元へ戻る状況が伺えます。
参考情報
患者調査の概要1)
患者調査は、医療施設を利用する患者について、その属性、入院・来院時の状況及び傷病名等の実態を明らかにし、併せて地域別患者数を推計することにより、医療行政の基礎資料を得ることを目的としています。
- 調査の周期
- 3年ごと 最新版は2020年調査結果が2022年に公表された
- 調査期間 各年10月
令和2(2020)年の場合 -
- 病院
- 2020年10月20日~22日の3日間のうち病院ごとに指定した1日
- 診療所
- 2020年10月20日・21日・23日の3日間のうち診療所ごとに指定した1日
- 調査対象
令和2(2020)年の場合 -
層化無作為による抽出した標本調査(カッコは回収施設数)
- 病院
- 6,284(6,185)
- 診療所
- 5,868(5,587)
- 用いられる傷病名
- 世界保健機関(WHO)の「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」(ICD)に基づいて定められた「疾病、傷害及び死因の統計分類(ICD-10(2013年版)準拠)」を適用して分類している
- 特徴
- 傷病別に全国値が報告されている統計調査は他にない。ただし、疫学調査のように病気に罹った人の数ではなく、医療機関に受診した患者数である
※『Ⅶ 眼及び付属器の疾患』を抽出して眼科の患者と見立てています。単位は一日あたりです。
患者調査の傷病分類に関するよくあるご質問
- Q.
- 患者調査で分類されている眼疾患の中で、ドライアイはどこに該当しますか?
- A.
- 「涙器の障害」に含まれます。Webサイトにある標準病名マスター2)を使って、眼及び付属器の疾患に連なる病名を調べることができます。
出所
- 1)平成20年~令和2年 患者調査|厚生労働省ホームページ
- 2)ICD10 第7章 H00-H59 眼及び付属器の疾患|標準病名マスター
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