白内障手術にはさまざまなテクニックが存在するが、その基本的なテクニック、考え方には共通したものがある。それぞれのステップごとに区切って、何を目的・目標として手術を行うのかをわかりやすく解説したつもりである。
　なんとなく手術を行っていると、うまくいったときとうまくいかなかったときとの違いも不明瞭になってしまう。例えば、 ドレーピングで大切なのは睫毛を確実に覆うことである。覆われていなければ、テープを貼ってもよい。Phaco chopのUSチップの打ち込みは、確実に核を捉えて動かさないようにすることである。これが理解できれば、チョップ中に核が動き始めた時、再度USチップを打ち直し、核を固定し直せばよいことがわかる。基本は意外と単純であり、それだけに確実にマスターすれば応用範囲も広い。