領域 アレルギー性結膜炎
エピナスチンによる眼そう痒感※抑制のメカニズム
アレジオン点眼液の有効成分であるエピナスチン塩酸塩は、ヒスタミンH1受容体拮抗作用(in vitro)により、アレルギー性結膜炎の眼そう痒感を抑制します。
Doctor’s Comment
社会医療法人三栄会 ツカザキ病院眼科 部長
福島 敦樹 先生
ヒスタミンは肥満細胞から放出され、ヒスタミンH1受容体への結合を介して、かゆみや充血などの眼アレルギー症状を引き起こします1)。抗ヒスタミン薬はアレルギー治療に幅広く用いられています。眼アレルギー疾患においてはヒスタミンH1受容体拮抗薬とメディエーター遊離抑制薬のいずれか、またはこれらの併用が第一選択とされています。抗ヒスタミン点眼薬の薬理作用については、抗ヒスタミン点眼薬の前処置後に抗原曝露する検討が多く、抗原曝露後の治療的な抗ヒスタミン点眼薬の効果の検証が課題とされてきました。
ヒスタミンによってかゆみが生じる際、ヒスタミンが結合したH1受容体からのシグナル伝達によって、細胞内Ca2+濃度が上昇します2)。そこで、我々は細胞内Ca2+濃度を指標に、あらかじめヒスタミンで刺激した後に抗ヒスタミン薬を処置したときのヒスタミン拮抗作用をリアルタイムで撮影しました3)。本研究ではヒスタミン刺激後にエピナスチン塩酸塩を添加することで、細胞内Ca2+濃度が低下し、高濃度のヒスタミン刺激下においても細胞内Ca2+濃度の上昇が抑制されました。これはエピナスチン塩酸塩のヒスタミンH1受容体親和性4)によるものと考えられます。
- 1)Sumi T. et al : Cornea 32 : S52, 2013
- 2)Simons FE. et al : J Allergy Clin Immunol 128 : 1139, 2011
- 3)貞方久人, 福島敦樹:アレルギー・免疫 24:1656, 2017
- 4)Matsumoto Y. et al : Pharmacology 81 : 266, 2008
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