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水晶体の老化に対するアプローチ仮説

監修:金沢医科大学 眼科学講座 久保 江理 先生

水晶体の老化に糖化と酸化が関与している可能性が示唆されている。抗糖化作用のあるヒシエキスと抗酸化作用のあるルテインで水晶体の老化スピードを緩やかに。

水晶体の老化に対するアプローチ仮説の図

出典:Nagaraj RH et al: Amino Acid 2012; 42: 1205-20.
眼科ケア2022春季増刊 白内障ベーシック&アドバンスト. メディカ出版(2022) p.12

ヒシ果皮抽出物(ヒシエキス)+ルテインにより水晶体の混濁を有意に抑制しました。(vs.基剤群、ラット1型糖尿病モデル)

ヒシエキス+ルテインの水晶体白濁グレードに及ぼす影響
in vivo:ラット1型糖尿病モデル)
ヒシエキス+ルテインの水晶体白濁グレードに及ぼす影響(in vivo:ラット1型糖尿病モデル)の図表

*p<0.05,**p<0.01 vs.基剤群
Steel's test median±max and minimum

  • 糖尿病:基剤群
    (n=16)
    糖尿病:基剤群(n=16)の図
  • 糖尿病:ルテイン+ヒシ
    (n=12)
    糖尿病:ルテイン+ヒシ群(n=12)の図
    グレーディングスコア
    グレーディングスコアの図

    Nagai R et al: Biochem Biophys Res Commum 2010; 393: 118-22.

※:ヒシ2mg/kg/日+ルテイン0.4mg/kg/日

目的
ラット1型糖尿病モデルにおける白内障発症およびAGEs形成に対するルテインとヒシエキスの抑制効果を検討する。
対象・方法
Wistar系ラット(雄:8週齢)に、ストレプトゾトシンを1回目(45mg/kg、静注)、7日後に2回目(25mg/kg、静注)を投与して1型糖尿病を誘発させた。
ヒシエキス群はヒシエキス(2mg/kg)、ルテイン群はルテイン(0.4mg/kg)、ヒシエキス+ルテイン群はヒシエキス(2mg/kg)、ルテイン(0.4mg/kg)を1日1回経口投与した。被験物投与開始から70日後(投与期間69日)、安楽死させたラットより摘出した水晶体の混濁度について、4段階のグレーディングを行った。

出所:Kinoshita S et al: J Clin Biochem Nutr 2020; 66:8-14.
利益相反:著者のうち1名は参天製薬(株)の社員である

ヒシ果皮抽出物(ヒシエキス)+ルテインの4週間投与により、血清中AGEs(CML、CEL)を有意に抑制しました。(vs.基剤群、ラット1型糖尿病モデル)

  • ヒシエキス+ルテインの血清中CMLに及ぼす影響
    in vivo:ラット1型糖尿病モデル)
    ヒシエキス+ルテインの血清中CMLに及ぼす影響のグラフ
  • ヒシエキス+ルテインの血清中CELに及ぼす影響
    in vivo:ラット1型糖尿病モデル)
    ヒシエキス+ルテインの血清中CELに及ぼす影響のグラフ

※:ヒシ100mg/kg/日+ルテイン10mg/kg/日
*p<0.05,**p<0.01 vs. 基剤群 Dunnett's test mean+SD

目的
ラット1型糖尿病モデルにおける白内障発症およびAGEs形成に対するルテインとヒシエキスの抑制効果を検討する。
対象・方法
Wistar系ラット(雄:5週齢)に、ストレプトゾトシン60mg/kgを静注で単回投与して、1型糖尿病を誘発させた。ヒシエキス群はヒシエキス(100mg/kg)、ルテイン群はルテイン(10mg/kg)、ヒシエキス+ルテイン群はヒシエキス(100mg/kg)、ルテイン(10mg/kg)を1日1回経口投与した。被験物投与開始から30日後(投与期間29日)安楽死させたラットの血清中CELおよびCML含有量をイオン化液体クロマトグラフィータンデム質量分析(ESI LC-MS / MS)により測定した。

出所:Kinoshita S et al: J Clin Biochem Nutr 2020; 66:8-14.
利益相反:著者のうち1名は参天製薬(株)の社員である

ヒシ果皮抽出物(ヒシエキス)+ルテインの6週齢からの3週間投与により、ヒシエキス、ルテイン単独群よりも、相加的に水晶体の混濁を有意に抑制しました(白内障モデルラット)

ルテイン+ヒシエキスの水晶体混濁に及ぼす影響

  • 水晶体の実態顕微鏡画像
    水晶体の実態顕微鏡画像の図
  • 水晶体の混濁度
    水晶体の混濁度の図表

ルテイン+ヒシ:ルテイン3.25mg/kg+ヒシ20mg/kg
SCR白内障(+):3-4週齢で混濁傾向があり (-):3-4週齢で混濁傾向がなし

Mean+SD *p<0.0001, **p<0.005 ANOVA with fisher's test

目的
ルテイン及びヒシエキスの水晶体混濁度抑制作用を白内障モデルラット(SCR)を用いて検討する。
対象・方法
6週齢のShumiya Cataract Rat(SCR)にルテイン3.25mg/kg、ヒシ20mg/kg、またはルテイン3.25mg/kg+ヒシ20mg/kgを含有した固形飼料を自由給餌させた。9週齢に安楽死させたラットより摘出した右眼の水晶体を実体顕微鏡で撮影し、水晶体の混濁度をソフトウェアで解析した。

出所:Ishida H et al: BioMed Research International 2020; 2020, Article ID 9204620
利益相反:著者のうち1名は参天製薬(株)の社員である

ヒシエキス+ルテインの6週齢からの3週間摂取により、水晶体上皮細胞内の内因性抗酸化蛋白の遺伝子発現が有意に増加しました。(Catalaseの白内障(+)を除く)(白内障モデルラット)

  • Prdx6の相対的発現量
    (Prdx6 mRNA/18s rRNA)
    Prdx6の相対的発現量のグラフ
  • Catalaseの相対的発現量
    (Catalase mRNA/18s rRNA)
    Catalaseの相対的発現量のグラフ

ルテイン+ヒシ:ルテイン3.25mg/kg+ヒシ20mg/kg
SCR白内障(+):3-4週齢で混濁傾向があり (-):3-4週齢で混濁傾向がなし

Mean+SD *p<0.001, **p<0.02 ANOVA with fisher's test

目的
ルテイン及びヒシエキスの内因性抗酸化物質の遺伝子発現上昇を検討する。
対象・方法
6週齢のShumiya Cataract Rat(SCR)について3週間にわたり、白内障(-)群および白内障(+)群にルテイン3.25mg/kg+ヒシ20mg/kgを含有した固形飼料を自由給餌させた。9週齢時点で摘出した左眼の水晶体より水晶体上皮細胞を採取し、RNAを抽出し、Prdx6とcatalase遺伝子のmRNAについて相対的定量を行った。

出所:Ishida H et al: BioMed Research International 2020; 2020, Article ID 9204620
利益相反:著者のうち1名は参天製薬(株)の社員である

【参考】Shumiya Cataract Rat(SCR)を用いた動物実験1)

Shumiya Cataract Rat(SCR)を用いた動物実験の図

Shumiya Cataract Rat(SCR)とは、ラノステロール合成酵素(LSS)の突然変異による遺伝性白内障ラットをいう2)
11-12週齢で約60%のラットが白内障を発症する。

1)金沢医科大学 眼科学 久保 江理 先生 ご提供
2)Mori M et al: J Clin Invest 2006; 116: 396-404

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