領域 緑内障
正常眼圧緑内障患者におけるオミデネパグ イソプロピルの1年間の有効性と安全性
(One-Year Efficacy and Safety of Omidenepag Isopropyl in Patients with Normal-Tension Glaucoma)
Inoue K, et al.: J Ocul Pharmacol Ther. 38(5): 354-358, 2022
※「禁忌を含む使用上の注意」等は、ページ下の関連情報(エイベリス点眼液0.002% 電子添文)をご参照ください。
試験概要
- デザイン
- 後ろ向き観察研究
- 目的
- 正常眼圧緑内障患者におけるオミデネパグ イソプロピル単剤投与の長期有効性と安全性を検討する。
- 対象・方法
- 井上眼科病院グループ(井上眼科病院、西葛西・井上眼科病院、大宮・井上眼科医院、札幌・井上眼科医院)において2018年12月から2020年9月の間にオミデネパグ
イソプロピルの投与(1日1回毎朝点眼)を受けたNTG患者100例(100眼)。すべての患者は眼圧下降薬による前治療を受けていなかった。両眼が組入基準を満たす場合はベースライン時の眼圧が高い眼を登録し、眼圧が同じ場合は右眼を登録した。
観察期間中に記録された有害事象はすべて報告された。
- 評価項目
- ベースライン時、初回投与から3、6、9、12か月後の眼圧を比較した。
ベースライン時と投与12か月後のMD値を比較した。
- 解析計画
- 統計解析はSPSS(ver.22; IBM)を用い、P<0.05を有意とした。
欠損値がある場合はリストワイズ除去して解析した。
[検定法]眼圧の変化:ANOVAとBonferroni補正、眼圧下降と眼圧下降率の比較:Friedman検定とWilcoxsonの符号順位検定、視野検査におけるMD値の比較:Wilcoxsonの符号順位検定。
- 本研究の限界
- 副作用発現による投与中止の判断は標準化されておらず、患者の希望または医師の判断で行われた。眼圧の評価は標準化されておらず、医師の判断で行われた。
患者背景
結果(眼圧の推移)
オミデネパグ イソプロピル単剤投与3、6、9、12か月後のいずれもベースラインと比較して有意な眼圧の変化が認められた
Inoue K, et al.: J Ocul Pharmacol Ther. 38(5): 354-358, 2022より作図
結果(MD値)
ハンフリー視野検査で評価したMD値は、ベースライン時とオミデネパグ イソプロピル単剤投与12か月後の間で有意差はなかった
Inoue K, et al.: J Ocul Pharmacol Ther. 38(5): 354-358, 2022より作図
安全性
- 副作用は9例(9.0%)に発現した。内訳は結膜充血(6例)、眼痛(1例)、虹彩炎(1例)、眼瞼炎(1例)であった。
- 視力低下(主因は白内障の進行)が1例(1.0%)に認められた。
- 当試験からの脱落は21例(21.0%)であった。その理由は通院中断(5例)、副作用(4例)、薬剤追加(4例)、薬剤変更(3例)、病院変更(3例)、白内障手術(2例)であった。
- 死亡を含む重篤な有害事象の有無については、論文に記載がなかった。
その他の安全性に関する記載はありませんでした。
製品のご使用にあたっては、ページ下の関連情報(エイベリス点眼液0.002% 電子添文)の安全性情報をご確認ください。
関連情報
三木 篤也 先生(愛知医科大学 近視進行抑制寄附講座・眼科学講座 特任教授)
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