領域 緑内障

製品概要

プリザーフロ® マイクロシャント

プリザーフロ® マイクロシャントは、手術時のリスク(低眼圧、デバイスの脱落、デバイス内腔へのデブリの侵入による閉塞、など)回避を目指して設計されたデザインです

プリザーフロ マイクロシャントの図
デザイン
特徴
全長8.5mm
眼圧下降の調節、閉塞防止、低眼圧リスクに配慮した全長と内径となっており、挿入部位から約3mm円蓋部側に後端を位置させ、眼瞼との接触を防ぎますa,b)
フィン
フィンにより強膜ポケットにデバイスを固定しますc)。脱落を防ぐと同時に切開創を塞ぎ、チューブ周囲からのリークを防ぐ役目も有します。
刃面
先端は斜めにカットされ、角膜側に刃面が向く構造となっており、内腔の入口のデブリを除去しやすくなっていますa,c)
  • a) Pinchuk L, et al. Regen Biomater 2016; 3: 137-42.
  • b) Adapted from Pinchuk L, et al. J Biomed Mater Res Part B 2017; 105: 211-21. [https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/]
  • c) Sadruddin O, et al. Eye Vis (Lond) 2019; 6: 36.

プリザーフロ® マイクロシャントの全長と内径

プリザーフロ® マイクロシャントは、「流出抵抗は管の内径と長さによって決まる」とするハーゲン・ポアズイユの式に基づき、房水の流出量を制御しています

ハーゲン・ポアズイユの式の図

円筒管の中を液体が流れる流量(Q)と、円筒管の長さ(l)や内径(r)、流体の粘度(η)、円筒管の両端の圧力差(P)との間には上記の関係が成り立ちます。
この式に基づき、低眼圧となりにくい房水の流出量を設定するためにプリザーフロ® マイクロシャントの内径と全長は設計されましたd)

ハーゲン・ポアズイユの式:円筒管の図
  • d) Arrieta EA, et al. Ophthalmic Surg Lasers Imaging 2011; 42: 338-45.

プリザーフロ® マイクロシャントの素材

プリザーフロ® マイクロシャントは熱可塑性エラストマーであるスチレン-イソブチレン-スチレントリブロック共重合体(SIBS)製ですe)

プリザーフロ マイクロシャントの素材の図
  • e) Strickler F, et al. J Biomed Mater Res A 2010; 92: 773-82.
  • f) Allocco DJ, et al. Trials 2010; 11: 1.
  • g) Acosta AC, et al. Arch Ophthalmol 2006; 124: 1742-9.
  • h) Eriksson A, et al. BMC Med Ethics 2013; 14: 48.

プリザーフロ® マイクロシャントの生体適合性

SIBSを原材料とした緑内障ドレナージインプラントを埋植したウサギ眼全例(n=16)において、術後6か月時点でチューブの被包化(encapsulation)は認められず、房水の流出が確認されましたi)

【試験目的】

ウサギ眼(n=16)にSIBS製の緑内障ドレナージインプラントを挿入し、術後6か月のチューブの皮包化および房水の流出を確認する。

【試験結果】

ウサギ眼全例において、術後6か月時点でチューブの被包化(encapsulation)は認められず、房水の流出が確認された。

また、ドレナージインプラント周囲にコラーゲンの沈着が確認されたものの、マクロファージや筋線維芽細胞は認められなかった。

SIBS製緑内障ドレナージインプラント 術後3か月(ウサギ)i)

1) 濾過胞内の房水の図

1) 結膜下に明らかな空間が観察され、濾過胞内の房水の存在が示唆されました。

2) Ⅳ型コラーゲンの軽度の沈着の図

2) チューブの周囲にⅣ型コラーゲンの沈着が認められました。

3) α平滑筋アクチン染色の図

3) α平滑筋アクチン染色で、チューブ周囲に筋線維芽細胞は認められませんでした。
(スケールバー:150µm)

  • ※本報告で使用されているインプラントはプリザーフロ® マイクロシャントと製造行程および形状が一部異なりますが、生体適合性などのSIBSの特性に違いはございません。
  • i) Acosta AC, et al. Arch Ophthalmol 2006; 124: 1742-9.

プリザーフロ® マイクロシャントの術式および埋植部位

プリザーフロ® マイクロシャントは、線維柱帯切除術と同様に前房と結膜下組織の間に新たな房水流出路を作製するデバイスです

プリザーフロ マイクロシャントの術式および埋植部位の図

使用目的又は効果/禁忌・禁止/使用上の注意

使用目的又は効果

薬物治療やレーザー治療などの治療法によっても十分な眼圧下降効果が得られない緑内障患者の眼圧下降に用いる。

禁忌・禁止

〈適用対象(患者)〉
「次の患者には使用しないこと」
  1. 閉塞隅角緑内障
  2. 本品使用部位に結膜瘢痕、結膜切開手術歴、その他の結膜病変(結膜菲薄化、翼状片等)
  3. 活動性虹彩血管新生
  4. 眼部の活動性炎症(例:眼瞼炎、結膜炎、強膜炎、角膜炎、ぶどう膜炎)
  5. 前房内硝子体脱出
  6. 前房眼内レンズ
  7. シリコーンオイル注入眼
〈使用方法〉
  1. 再使用禁止
  2. 再滅菌禁止
  3. ダブルステップナイフは、ブレードを眼球以外に接触、ぶつけたものは使用しないこと。[刃が損傷して極端に切れ味が低下するため。]

使用上の注意

〈使用注意(次の患者には慎重に適用すること)〉
  1. 慢性炎症眼
  2. 乳児期の先天緑内障眼
  3. 血管新生緑内障眼
  4. ぶどう膜炎緑内障眼
  5. 落屑緑内障又は色素緑内障眼
  6. 他の続発開放隅角緑内障眼
  7. 切開を伴う緑内障手術又は毛様体破壊術既往眼
  8. 白内障同時手術
  9. 狭隅角眼
  • 出典:プリザーフロ® マイクロシャント 緑内障ドレナージシステム 電子添文

線維柱帯切除術対照多施設共同無作為化試験(日本承認審査評価試験)でのプリザーフロ® マイクロシャント手術手順

手術手順1の図
麻酔を施す
手術手順2の図
円蓋部基底にて、結膜およびテノン嚢を強膜より剥離する
手術手順3の図
代謝拮抗薬(MMC)を塗布・洗浄する 
手術手順4の図
ダブルステップナイフを使用してプリザーフロ®挿入路を作製する
手術手順5の図
④で作製した挿入路にプリザーフロ®を挿入する
手術手順6の図
プリザーフロ®からの房水流出を確認する
手術手順7の図
テノン嚢および結膜を縫合する

※日本承認審査評価試験は全例MMCを使用しております。
緑内障診療ガイドラインに従って、ご実施ください。

  • MMC:マイトマイシンC

プリザーフロ® マイクロシャント挿入後 濾過胞形態の一例

眼局所【47歳女性;平らなびまん性の濾過胞が観察された】k)

プリザーフロ マイクロシャント挿入後 濾過胞形態の一例の図
  • ※紹介した症例は臨床症例の一部を紹介したもので、全ての症例が同様な結果を示すわけではありません
  • k) Ahmed T, et al. Jpn J Ophthalmol 2022; 66: 33-40.

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