眼科研究開発

Santenは、事業分野である眼科領域において、新技術の活用やパートナー企業との連携により新薬を創生し、眼科の疾患や不具合に起因する世界中の人々の社会的・経済的な機会損失を削減することを目指します。

研究開発における考え方

Santenは、患者さんを中心に考えること(Patient Centricity)を大切にしています。患者さんや患者団体との直接的な対話を重ねながら、それぞれの患者さんが直面する困難に対して真に価値あるソリューションを提供することを目指し、そのために必要な科学技術を社内外問わず積極的に研究開発活動に取り入れて、パートナー企業と協力・連携して新たな価値を創造しています。
また、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」を遵守して研究開発を行うとともに、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」および関連政令・省令・告示を遵守した研究開発活動を行っています。地域社会との調和も大切にし、環境保全協定の締結と環境保全計画の作成、その実行を通じて地域社会における研究開発活動に対する理解の醸成を図っています。

研究倫理と人権尊重

Santenでは、ヒト由来の生体試料を用いる研究が世界医師会による「ヘルシンキ宣言」、文部科学省・厚生労働省・経済産業省による「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」などに示された趣旨に従い、科学的かつ倫理的観点から適正に遂行されるための仕組みとして、「研究倫理委員会」を設置しています。
「研究倫理委員会」では、試験参加者のプライバシー保護を含む倫理面での適切性、実施内容の妥当性および科学面での適切性が担保されているかを審議しています。なお、審議が公正に行われることを確保するため、委員長はコンプライアンス担当役員とし、委員は従業員に加え、医学や法律の専門家である社外委員とで構成されています。臨床試験の実施にあたっては、被験者となる患者さんの自由意思によって試験に参加いただき、患者さんの安全性の確保のために、予想される効果や可能性のある副作用などについて十分に説明し、同意を得ることとしています。また、臨床試験に参加いただいた患者さんの個人情報が保護されるよう必要な措置を講じています。

臨床試験の情報開示

Santenは、品質基本方針を定め、方針に従って臨床試験を実施しています。臨床試験の透明性を確保し、社会への説明責任を果たすため、臨床試験に関する情報は下記団体などのホームページに公開しています。

新技術への考え方

Santenは、患者さんに価値あるソリューションを提供するため、細胞治療や遺伝子治療、ナノテクノロジーなど、新技術も積極的に取り入れ、研究開発活動を行っています。

細胞治療

細胞治療は、細胞がもつ多様な機能を活用し、技術加工した細胞を疾患治療に用いる治療法です。Santenは、2020年にjCyte社からjCellの日本、アジアならびに欧州における開発・販売権を取得しました。網膜色素変性症におけるファースト・イン・クラスの治療と期待されるjCellの開発を推進し、眼科領域細胞治療剤セグメントにおけるプレゼンス構築を目指します。

遺伝子治療

遺伝子治療は、遺伝子を体内に投与することにより目的とするたんぱく質を発現させ、その作用により疾患を治療します。Santenは、産官学連携の取り組みを通じて、いち早く患者さんに治療薬を届けるための研究開発実施体制を構築し治療剤の研究開発に取り組むとともに、これらの取り組みを通じた当該分野における社内の実施体制強化を図っています。

ペプチドおよび抗体薬

Santenは、ペプチド阻害剤、二重特異抗体、抗体-機能性分子複合体などの次世代技術を積極的に研究開発に取り入れ、アンメットメディカルニーズを充たす製品群の開発を行っています。医薬品製造受託機関やサードパーティ・ロジスティクスといったパートナー企業とともに当該分野における製品供給のさらなる効率化および品質向上を目指しています。

ナノテクノロジー

種々のバリアーが存在する眼組織において、必要量の薬剤を標的部位に効率的に届けることは非常に重要です。Santenは、各種高分子や脂質等の生体適合性材料で製したナノ粒子やマイクロエマルションなどのナノキャリアを用いたDDS(薬物送達システム)開発に取り組んでいます。

研究活動における動物福祉

医薬品の研究開発を進めるうえで、薬の安全性や有効性を確認するための動物実験が不可欠です。Santenでは、実験動物の生命尊重、動物愛護に配慮し、適正な飼育環境を確保するとともに、使用動物数の削減「Reduction」、動物を使用しない代替法の採用「Replacement」、苦痛の軽減「Refinement」に、実験者と委託者の責任「Responsibility」を加えた4Rを実践しています。

  • 「Reduction」:個々の試験の審査時に1群当たりの動物数の最少化、予備動物の削減を行っています。
  • 「Replacement」:iPS細胞等の新規の評価系の構築やin vitro動物実験代替法の活用により、実験の予測性を確保しつつ、動物を使用しない試験系への置き換えを推進しています。
  • 「Refinement」:麻酔等の適切な苦痛軽減策の実施や各実験に人道的エンドポイントを設定することにより、不必要な苦痛を動物に与えることのないよう配慮しています。
  • 「Responsibility」:実験者および外部委託試験の試験委託者の責任として、実験の必要性を十分に考えた上で、上記の3Rを尊重した試験計画を立案しています。

また、外部委託試験を含めたすべての動物実験計画を、(1) 動物実験等に関して優れた識見を有する者 、(2) 実験動物に関して優れた識見を有する者、(3) その他学識経験を有する者で構成された「動物実験委員会」で審査しています。さらに、「動物の愛護および管理に関する法律」「実験動物の飼養および保管並びに苦痛の軽減に関する基準」および「厚生労働省の所管する実施機関における動物実験等の実施に関する基本指針」に準拠した社内規程を制定しています。
動物福祉に配慮した動物種ごとに必要とする飼育スペースを設定し、動物のストレスを軽減する目的で環境エンリッチメントを活用しています。動物実験における動物福祉に関する知識および意識を向上させる目的で、毎年継続的な教育訓練を動物実験に従事するすべての従業員を対象に実施し、記録しています。
動物実験施設が動物福祉に配慮され、適切に運営されていること、ならびに動物実験が上記の4Rを尊重し適切に計画および遂行されていることについて、透明性の確保に努めています。Santenで唯一の動物実験実施施設である奈良研究開発センターは、動物愛護の観点に配慮しつつ、科学的観点に基づく適正な動物実験等が実施されているかを外部検証する一般財団法人日本医薬情報センター動物実験実施施設認証センターによる評価を受け、適合施設として認証を取得しています。
動物実験を外部委託する際には、委託先研究施設がAAALAC International(国際実験動物ケア評価認証協会)もしくは一般財団法人日本医薬情報センター動物実験実施施設認証センターにより、動物福祉に関する第三者認証を取得し、認証が有効であることを確認した上で委託しています。第三者認証を受けていない大学等の研究施設に委託する場合には、奈良研究開発センターの動物実験委員会にて動物福祉の観点で適切に計画立案されていることを審査したのちに、試験を開始しています。
奈良研究開発センターで計画立案された自社および外部委託にて実施したすべての動物実験の使用動物数は継続的にモニターしており、短期的には増減はあるものの、4Rを考慮した動物実験計画の立案により長期的には減少する傾向がみられています。

第三者検証による認定書