従業員の成長と組織風土

Santenは、人的資本の重要性を認識し、採用や配置、昇進、能力開発における機会の均等に取り組み、中長期的な観点に基づき人材の育成・開発・登用を進めていきます。

基本理念に基づいた組織・人材づくり

基本理念である「天機に参与する」は組織・人材づくりにおいても基盤となります。
当社が長期ビジョンの実現を目指すにあたり大切にする価値観と、特に次の5年・10年重視する行動指針を定めた「Values」に基づく行動評価へと2022年度に制度を改定し、従業員一人ひとりの日々の行動とビジョン実現を結びつけています。

目標評価制度による従業員の育成

当社では、年度のはじめに従業員一人ひとりが上司と話し合い、組織と個人の目標についてすり合わせたうえで目標を設定し、対象期間の終了時にはその目標に対する達成度を評価しています。従業員が目標を達成できるよう、四半期毎以上の頻度で対象期間の途中に目標に対する進捗を確認したり、中長期的なキャリアについて上司と面談する機会を設けています。これまでの職業経験から今後のキャリア目標とその達成に必要な機会や能力開発などについて会話をしています。また、直属の上司だけでなく、マトリクス組織の上司から指導や評価を受けることもあります。最終的には、個人の成績だけでなく、組織の業績も反映した評価となります。従業員一人ひとりの能力発揮・向上をサポートし、仕事の達成感や成長につながることを期待しています。

従業員の能力開発への取り組み

当社は、医薬情報担当者(MR)教育を中心に新入社員・階層別研修など、様々な研修を実施しています。
日本では、従業員が自己啓発として受講する語学やビジネススキルの学習やテストに対し、費用の一部を会社が負担する、自己啓発支援制度も整えています。また、従業員一人ひとりのキャリア自律意識の醸成に向け、職場の上司・部下間および 社外キャリアコンサルタントを活用した対話機会の拡充やキャリア研修も実施しています。
延べ研修時間は社会データをご覧ください。

グローバル・ジョブ・ポスティング制度

当社では、2020年4月より新たな社内公募システムであるグローバル・ジョブ・ポスティング制度の運用を開始しました。この制度はSantenグループの全従業員を対象としており、グループ内の募集ポジションに対し公募するものです。募集ポジションを通じてどのようなキャリアや成長の機会があるかを知ることができ、中長期的なキャリアを自ら考えチャレンジすることで従業員の成長を促します。

マイスター制度

生産本部では、製造オペレーターのスキルアップや士気向上を目的に、滋賀と能登にある工場独自の評価・処遇制度として、2017年度よりマイスター制度を導入しています。社内で設定された資格取得者で高技能、実績、豊富な経験と同僚、後進からも信頼される人間性を有し、基本理念の「個人の行動原則」を実践している者をマイスターとして認定しています。

「新しい働き方」の推進

新型コロナウイルス感染症拡大を契機に、当社は未来の働き方について再考し、世界各国で働く全従業員を対象に、2021年5月に「新しい働き方」に関する指針を制定しました。一人ひとりが、個人およびチームとして能力を最大限発揮しチャレンジングな目標に全力で取り組めるよう、それぞれに最適な働き方の実現を目指しています。

本指針では、柔軟な職場、デジタル化されたプロセス、ウェルビーイングとライフスタイル、柔軟な勤務時間、地域社会への貢献など、当社のVALUES(価値観と行動指針)に基づいた取り組みを示しています。例えば、「デジタルワークプレイス」というコンセプトを導入し、いつでもどこでも快適な環境で職務を遂行できるよう、ITインフラを整備しています。ペーパーレス、電子署名、各種決裁システムの簡略化の促進に加え、「デジタルワークプレイス」に即した社内のオンラインコミュニケーションツールを拡充し、ビジョンや目標を共有しながら、モチベーションや生産性を向上するための施策を展開しています。「新しい働き方」に関する指針の制定により、より良い働き方を推進することで、世界中の「Happiness with Vision」に貢献していきます。

オンラインコミュニケーションによるネットワーキング

デジタルワークプレイスでの働き方が定着する中、経営層や管理職を含む従業員同士がつながる機会を提供するため、「The Café」というプラットフォームを提供しています。「The Café」に参加することで、興味や目的に合った人とつながったりイベントに参加したりできます。これにより、ネットワークを広げ、他者から学び、キャリアの機会を広げることを期待しています。

従業員エンゲージメント調査

私たちは、従業員の声をビジネス上の意思決定に反映させ、従業員が当社で働くことへのエンゲージメントとコミットメントの向上に努めています。従業員中心の方針と実践を継続的に改善するために、調査の結果を活用しています。
2022年以降、職場文化を専門とする独立系調査会社である「Great Place to Work ®」による全社的な年次エンゲージメント調査を行っています。また、年次調査に加え、評価育成プロセスなど、特定の方針や慣行に関する詳細な質問を行うパルス調査をグローバルで定期的に実施しています。私たちは結果の軌跡を注意深く観察し、「コミュニケーション」と「連携」などの課題に対して、グローバルおよび地域に関連した実施項目を設定することで、チームメンバーのエンゲージメントを長期的に向上させていきます。

ワーク・ライフ・バランス実現に向けた制度

当社は、従業員が多様な価値観を認め合い、一人ひとりがライフステージの変化や性別にかかわらず、持てる能力を最大限に発揮し、業務上の利便性を確保しながら仕事と生活の調和(ワーク ライフ バランス)が図れるよう、日本では、法定で定められた内容を上回る以下の制度を設け、就業環境の整備に努めています。
制度の取得状況は社会データに掲載しています。

  • 産前産後休暇(特別休暇:有給):
    産前:出産予定日を含めた6週間前(多胎児妊娠の場合14週間前)、産後:出産日の翌日から8週間を限度に取得可能
  • 配偶者の出産にともなう特別休暇(有給):
    子の出生から14日以内に3日間まで取得可能
  • 未就学の子の看護休暇(特別休暇:有給):
    小学校就学の始期に達するまでの子を看護する場合、1年間に10日間を限度に休暇を取得可能
  • 介護休暇(特別休暇:有給):
    要介護または要支援状態の家族を介護する場合、1年間に10日間を限度に休暇を取得可能
  • 育児休業:
    子が満1歳6か月または2歳に達するまで休業できる制度(最初の7日間は有給)
  • 育児短時間勤務:
    小学校3年生までの子を養育する従業員が、勤務時間を30分、1時間または2時間短縮することができる制度
  • 介護休業・介護短時間勤務:
    要介護の家族を介護する場合、休業または2時間を限度に30分単位で勤務時間を短縮することができる制度。対象家族1人につき通算186日間取得可能。
  • 年次有給休暇の取得単位分割:
    年次有給休暇を半日もしくは4分の1日に分割して取得することができる制度
  • ボランティア休暇:
    ボランティアへの参画のための休暇を取得することができる制度
  • フレックスタイム:
    始業および終業時刻を従業員が決定して働く制度(不足分を10時間以内なら翌月へ繰越可)
  • テレワーク:
    自宅、社内の他事業場での勤務など、場所の制限を設けない勤務形態
  • キャリアカムバック登録制度:
    育児・介護・配偶者の転勤等の事由により退職した従業員が、その事由解消後、復職(キャリア・カムバック)の機会を提供される登録制度
  • 家族看護休暇(年次有給休暇積立制度):
    家族(配偶者・子・父母)の看護のための休業を要する場合に積立休暇を使用できる
  • 小学生以下の子の育児休暇(年次有給休暇積立制度):
    小学生以下の子の育児目的(学校行事・検診・予防接種など)で休業を要する場合に積立休暇を使用できる

福利厚生制度

当社は、例えば日本においては、従業員持株、財形貯蓄などの財産形成、育児や介護などライフステージに応じた休暇・休業・短時間勤務などの制度、健康で働き続けるための充実した健康診断、いざという時の遺族年金など、様々な福利厚生制度を導入しています。

定年に向けた従業員への支援

日本では、定年を迎える従業員に対して、再雇用制度、再就職支援サービス、職業訓練支援金の3つの選択肢を用意し、再雇用期間終了後の再就職支援も提供しています。また、定年を控えた従業員に対して、再雇用・年金などの制度や雇用環境の変化について理解し、定年後のライフプランについて考えることを目的にした「キャリアデザイン研修」を実施しています。すべての従業員が安心して長期に就労できるよう支援体制を整えています。