当社は、当社の株主の在り方について、株主は株式市場での自由な取引を通じて決まるものと考えています。したがって、株式会社の支配権の移転を伴う買収提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えています。
しかし、当社株式の大規模買付行為や買収提案の中には、(1)買収の目的や買収後の経営方針等に鑑み、企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、(2)株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、(3)当社に、当該買収に対する代替案を提示するために合理的に必要な期間を与えることなく行われるもの、(4)当社株主に対して、買収内容を判断するために合理的に必要とされる情報を十分に提供することなく行われるもの、(5)買収の条件等(対価の価額・種類、買付けの時期、買付けの方法等)が当社の本源的価値に鑑み不十分または不適当なもの、(6)当社の持続的な企業価値増大のために必要不可欠な従業員、顧客を含む取引先、債権者などの利害関係者との関係を破壊し、当社の企業価値・株主共同の利益に反する重大なおそれをもたらすものも想定されます。当社は、このような大規模買付行為や買収提案を行う者は、例外的に、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えています。
以下、本更新の目的および本プランのポイントにつき、ご説明いたします。 |
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1. |
本更新の目的 |
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本プランは、当社株式に対する買収もしくはこれに類似する行為またはその提案が行われた際に、買収を行う者またはその提案者に対し、遵守すべき手続を明確にし、株主の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報と時間を確保するとともに、買収者との交渉の機会等を確保することにより、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としています。 |
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2. |
本プランの概要 |
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(1)本プランの発動に係る手続の設定
本プランは、(i)特定株主グループの株券等保有割合または株券等所有割合を20%以上とすることを目的とした当社株券等の買付行為、(ii)結果として特定株主グループの株券等保有割合または株券等所有割合が20%以上となる当社株券等の買付行為のいずれかに該当する行為のうち、あらかじめ当社取締役会が同意したものを除くもの(以下「大規模買付行為」といいます。)が行われる場合に、大規模買付行為を行う者(以下「大規模買付者」といいます。)に対し、事前に当該大規模買付行為に関する情報の提供を求め、当該大規模買付行為についての情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、株主の皆様に当社取締役会の意見や代替案等を提示し、独立委員会または当社取締役会を通じて直接または間接に大規模買付者との交渉等を行っていくための手続を定めています。
(2)新株予約権無償割当ての利用
大規模買付者が、(i)本プランの手続を遵守しなかった場合または(ii)本プランの手続を遵守した場合であっても、本プランにおいて定められた以下の要件のいずれかに該当し、当該大規模買付行為が明らかに当社の企業価値を毀損し株主共同の利益を害するものである場合には、引き続き大規模買付者より情報提供があるもしくは大規模買付者との間で協議・交渉等を行う必要がある等の特段の事情がある場合を除き、大規模買付者による権利行使は認められないとの行使条件、および当社が大規模買付者以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)を、その時点の全ての株主に対して、保有株式1株につき1個の割合で、無償で割り当てます(但し、本新株予約権発行時における発行可能な株式数との関係で、交付される当社普通株式が1株未満となる可能性があります。)。
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(i) |
下記に掲げる行為により、当社の企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付行為である場合 |
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(a) |
株式を買い占め、その株式について当社に対して高値で買取りを要求する行為 |
(b) |
当社の経営を一時的に支配して、当社の重要な資産等を廉価に取得する等、当社の犠牲のもとに大規模買付者の利益を実現する経営を行うような行為 |
(c) |
当社の資産を大規模買付者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する行為 |
(d) |
当社の経営を一時的に支配して、当社の事業に当面関係していない高額資産等を処分させ、その処分利益をもって、一時的な高配当をさせるか、一時的高配当による株価の急上昇の機会を狙って高値で売り抜ける行為 |
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(ii) |
強圧的二段階買付等、株主に株式の売却を事実上強要するおそれのある買付である場合 |
(iii) |
買付行為の条件が当社の本源的価値に鑑み不十分または不適当な買付行為である場合 |
(iv) |
当社の企業価値を生み出す上で必要不可欠な当社の株主、従業員、取引先、医療機関および顧客等との関係を損なうこと等により、当社の企業価値・株主共同の利益に反する重大なおそれをもたらす買付行為である場合 |
(3)株主意思確認総会の開催
当社取締役会は、対抗措置を発動するに際して、(i)独立委員会が対抗措置の発動に際して、予め株主総会の承認を得るべき旨の留保を付した場合、または、(ii)ある大規模買付行為について上記(2)(i)から(iv)に定める要件の該当可能性が問題となっており、かつ、当社取締役会が、株主総会の開催に要する時間等を勘案した上で、善管注意義務に照らし、株主意思を確認することが適切と判断する場合には、株主総会(以下「株主意思確認総会」といいます。)を招集し、対抗措置の発動等に関する株主の意思を確認することができるものとします。
(4)株主・投資家に与える影響等
本更新時においては、新株予約権の無償割当て等自体は行われませんので、当社株主の皆様および一般投資家の皆様の権利、利益に直接具体的な影響が生じることはありません。
また、本プランに従って本新株予約権の無償割当てがなされ、大規模買付者以外の株主の皆様により本新株予約権が行使された場合、または当社による本新株予約権の取得と引換えに、大規模買付者以外の株主の皆様に対して当社株式が交付された場合においても、大規模買付者以外の当社株主の皆様の議決権比率が低下することはありません。一方で、当該大規模買付者の議決権比率は低下する可能性があります。 |
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3. |
本プランの合理性 |
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当社は、本プランは、当社の基本方針に沿うものであり、また、以下の理由から本プランは基本方針に照らして、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(1)買収防衛策に関する指針等の要件を充足していること
本プランは、経済産業省および法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を完全に充足しています。また、経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」に関する議論も踏まえた内容となっており、合理性を有するものです。
(2)本プランは株主意思を重視していること
本プランは、2010年6月23日開催予定の当社第98期事業年度に係る定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただくことを条件として、更新されるものです。また、当社取締役会は、一定の場合に、本プランの発動の是非について、株主意思確認総会において株主の皆様の意思を確認することとされています。さらに、本プランは、有効期間を約3年間とするいわゆるサンセット条項が付されており、かつ、その有効期間の満了前であっても、当社取締役会の決議によって本プランを廃止することができます。
(3)独立性の高い社外取締役の判断の重視および合理的な客観的要件の設定
防衛策の発動にあたっては、独立性の高い当社社外取締役3名から構成される独立委員会による判断が行われ、取締役会は独立委員会の勧告を最大限尊重し、これに従い決議すること、および本プランは、合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。
(4)第三者専門家等の意見の取得
大規模買付者が出現すると、独立委員会は、当社の費用で、独立した第三者専門家等(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を受けることができるものとしています。これにより、独立委員会による判断の公正さ、客観性がより強く担保される仕組みとなっています。
(5)取締役会の裁量権について濫用防止策が施されていること
本プランは、取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策ではありません。また、取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策でもありません。 |