白内障の治療

白内障は、手術を受ければ、視力の回復が見込める病気です。治療方法は、病状の進行段階によって異なり、症状が軽度の場合は手術を行わず、点眼治療や内服薬による治療を行います。ただ、薬の使用は白内障の進行を抑えることが目的で、水晶体が透明に戻るわけではありません。症状が進行した場合には、外科的手術を行います。

白内障の症状が軽度の場合

視力の低下や目のかすみが日常生活に支障がない初期の段階では、点眼治療や内服薬による治療が基本です。ただし、薬を使用しても水晶体が透明に戻るわけではなく、あくまで白内障の進行を抑えることが目的です。

点眼薬

日常生活に支障がない程度であれば点眼薬を使用し、白内障の進行を遅らせます。これらは水晶体が濁るスピードを遅くするもので、症状を改善したり、視力を回復させることはできません。

※補正グッズを使う

「視界がぼやける」「屋外や逆光で一気に見えなくなる」「まぶしくて見えづらい」「ピントが合いにくい」といった不快な症状を減らすために、サングラスやメガネなどの利用を推奨されることがあります。

白内障の症状が進行した場合

白内障が進行して仕事や生活に支障がみられる場合には、外科的手術が行われます。現在では「超音波水晶体乳化吸引術」が一般的です。この手術では、濁った水晶体を超音波で粉砕して取り除き、その代わりに人工水晶体である眼内レンズを挿入します。白内障の手術は、多くの患者さんが安心して受けることができる手術の1つです。 (ただし、眼内レンズにピント調節機能はないため、手術後もメガネなどが必要な場合があります。)

  • 水晶体

    STEP 1

    目に小さな切開を入れます。

  • 超音波で砕く

    STEP 2

    濁った水晶体を砕き、
    取りのぞきます。

  • 眼内レンズ

    STEP 3

    眼内レンズを挿入します。

単焦点眼内レンズ手術

最も見たい距離にピントを合わせるよう調節するレンズです。ピントを合わせた距離の範囲内でクリアな視野が得られます。ただし、ピントが合わない距離に対応するためには手術後もメガネなどが必要な場合があります。

どんな方に

近視遠視でメガネなどをかけている方
精密な見え方を求められる方

多焦点眼内レンズ手術

遠方から中間または近方まで単焦点よりも広い範囲にピントが合わせられるレンズです。ピントが合う範囲は広いですが、単焦点と同様にピント調節機能はないため、手術後もメガネなどによる視力の矯正が必要な場合があります。主治医とご相談の上、生活スタイルに合わせた見え方をお選びください。

どんな方に

遠近両用のメガネやコンタクトをご利用の方
裸眼の状態で遠くも近くも見たい方

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