乱視とは
乱視
日頃から目をいたわる生活を心掛け、
見えにくくなってきたら眼科医に相談しましょう。
乱視とは
乱視とは、屈折力が屈折点により異なるために、焦点を結ばない状態のことを言い、正乱視と不正乱視とに分けられます(図 17)。
正乱視は角膜や水晶体のカーブが方向によって違うため(例:ラグビーボール)、屈折力が縦と横、あるいは斜めで異なり、焦点を一点に合わせることができません。主に角膜のひずみが原因ですが、近視や遠視と組み合わさって起こる場合がほとんどです。正乱視があると一方向の線のみが明確に見えますが、他の方向はぼやけて見えます(図 18)。
不正乱視は炎症やケガなどによって角膜表面に凹凸が生じたために正常に像が結ばれない状態を言います。

屈折異常の治療
屈折異常の治療法としては、眼鏡やコンタクトレンズによる矯正が用いられますが、最近では屈折矯正手術が選択されることもあります。
眼鏡やコンタクトレンズ、屈折矯正手術にはそれぞれメリット、デメリットがあり、患者さん一人一人の病態や生活スタイルなどを考慮して選択されます(表 6)。
- 眼鏡
- コンタクトレンズ
- メリット
- 眼鏡
- 結膜炎や角膜疾患があっても装用できる
- かけはずしが簡単
- 手入れが容易である
- コンタクトレンズ
- 物の大きさが変わったり、ゆがんだりしない
- 視野が広く、周辺部がひずんだりしない
- ほとんどの激しいスポーツでも装用できる
- 美容上、好まれる
- デメリット
- 眼鏡
- 強い近視や遠視、乱視では十分な矯正視力が得られないことがある
- 近視や遠視の度数の差が左右の眼で大きいと、物の大きさが違って見える
- 眼鏡をかけると近視では物が小さく、遠視では物が大きく見える
- 視野が狭く、周辺部がひずむ
- スポーツには不向きである
- 雨や湯気などで眼鏡がくもる
- コンタクトレンズ
- 結膜炎や角膜障害がある場合は装用できない
- トラブルが起こることがある
- 取り扱いが面倒である
- ディスポーザブルレンズ以外は手入れが必要である
- 定期検査が必要である
乱視の治療
正乱視は円柱レンズの眼鏡やコンタクトレンズで矯正できます。眼のひずみと逆方向にひずませる円柱レンズにより焦点を合わせます(図 21)。
不正乱視は角膜の表面に凹凸があるため眼鏡では矯正が不可能です。コンタクトレンズで矯正されますが、矯正にはハードコンタクトレンズの方が適しています(図 22)。コンタクトレンズで矯正できない場合は屈折矯正手術または角膜移植を行います。
