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監修:名古屋市立大学 眼科教授 小椋祐一郎
大切な「目」をまもるため、眼科の先生によく相談して指導してもらいましょう。 網膜とは?(網膜の役割)網膜(もうまく)はものを見るための重要な役割を担っています 網膜は、眼の奥にある厚さ約0.1〜O.4ミリの薄い膜です。ものを見る重要な部分で、10層に分かれています。内側の9層は神経網膜といい、外側の1層は網膜色素上皮細胞(もうまくしきそじょうひさいぼう)といいます。神経網膜には光を感じる細胞が並んでいます。 網膜の中で一番重要な部分は、中央にある黄斑部です。黄斑部(おうはんぶ)には、視力や色の識別に関係している細胞があります。 硝子体(しょうしたい)とは? ものが見えるしくみ 網膜剥離とは? 網膜がはがれることを網膜剥離(もうまくはくり)といいます 網膜色素上皮細胞(もうまくしきそじょうひさいぼう)と神経網膜の接着は弱いので、何らかの原因で神経網膜が網膜色素上皮細胞からはがれて、硝子体(しようしたい)の中に浮き上がってしまうことがあります。これが網膜剥離です。網膜剥離は、裂孔原性網膜剥離(れっこうげんせいもうまくはくり)と呼ばれる網膜に裂孔(裂け目)を伴うものが一般的です。
眼球の中の硝子体は、中高年になると、液化硝子体(えきかしょうしたい)と呼ばれる水の部分ができて、眼球の動きとともに硝子体が眼球内で揺れ動くようになります(後部硝子体剥離(こうぶしょうしたいはくり)下記参照)。硝子体と網膜が強く癒着(ゆちゃく)している部分があると、眼球の動きで網膜が引っ張られ、裂孔ができてしまいます。その裂孔から液化硝子体が網膜下に入り込むと、網膜ははがれてしまいます。これが裂孔原性網膜剥離です。 また、ボールが目に当たるなど、強い力が目に加わって網膜が剥離してしまう外傷性網膜剥離(がいしょうせいもうまくはくり)も、裂孔原性網膜剥離のひとつです。 糖尿病網膜症では、出血しやすい血管を含んだ膜が網膜の上にできます。この膜が収縮して網膜を引っ張ると、網膜が剥離してしまいます(牽引性網膜剥離けんいんせいもうまくはくり)。 ぶどう膜に炎症があったり、眼内腫瘍などがあると、網膜血管や脈絡膜から血液中の水分が滲み出し、網膜下にたまって網膜が剥離することがあります(続発性網膜剥離ぞくはつせいもうまくはくり)。 このような場合、原因となっている疾患の治療を行います。 網膜剥離の症状 このような症状があれば検査を受けましょう ●飛蚊症(ひぶんしょう)・光視症(こうししょう)・視野欠損(しやけっそん)・視力低下(しりょくていか)
網膜剥離の検査 検査を受けて早期に発見しましょう ●眼底検査(がんていけんさ) 最も大切な検査は眼底検査です。これは、点眼薬で瞳孔を開き、眼底の様子を調べる検査です。硝子体出血などで眼底が見えないときには、超音波検査を行います。
●視野検査(しやけんさ) 見えない部分の位置を調べる検査です。見えない部分と、病変の部分は対応しています。 視野のイメージ像
網膜剥離の治療 網膜剥離を治すには手術が必要です 手術には次のようなものがあり、症状や剥離の進行状態によって、どの手術を行うかが決まります。
■手術後におこる合併症(増殖性硝子体網膜症(ぞうしょくせいしょうしたいもうまくしょう))通常の網膜剥離の手術を行い、いったん治癒しても、網膜の表面や裏に細胞が増殖して線維組織ができて、網膜剥離をおこすことがあります。非常にまれな経過です。増殖性硝子体網膜症にかかると、手術を繰り返し行わなければならないことがあります。 術前・術後の注意点 安静とリラックスが大切です ●手術を受ける心構え
通常の裂孔原性網膜剥離(れりこうげんせいもうまくはくり)は、90%以上が手術的に再接着できます。剥離の範囲が小さく、剥離してから放置している期間が短いほど、手術後によい視力が得られる傾向にありますので、診断がついたら担当医の指示に従って、速やかに手術を受けるようにしましょう。 手術の後は、担当医の指示に従って安静にします。 光凝固術の場合は、入院の必要はありません。その他の手術では、経過によりますが、約10日間程度で退院できることが多いです。
●うつむき姿勢 硝子体手術の場合、眼内にガスを注入することがあります。ガスは軽いので、上方に向かう特性があります。うつむき姿勢を保って安静にすることで、ガスは網膜を元の位置に戻し、くっつける手助けをします。網膜がくっつくまでうつむき姿勢を保って安静にしましよう。
日常生活での注意点 激しい運動・眼の使いすぎを避けて下さい ●仕事や運動などの制限 手術後に眼を動かしても、手術の結果に大きな影響はありませんが、眼内の状態が落ちつくまでに1〜3か月必要です。少なくとも術後1か月間は、疲れない程度に眼を使用して下さい。 事務や管理職の方は、手術後1か月めから、運転手や重労働の方は2か月ごろから仕事に復帰できます。日常生活でも、術後1か月間は重いものを持ったり、走ったり、車の運転をすることなどは避けて下さい。年に1,2回の定期検査を必ず受けましょう。
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