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あなたを悩ますアレルギー
その原因と対策


監修にあたって


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

湯浅眼科院長  湯浅 武之助

 わが国では1970年代からアレルギー疾患を有する人の比率は増加の一歩をたどり、最近では国民の1/3は何らかのアレルギー疾患に罹患しているといわている。アレルギー疾患の発症には、抗原・遺伝的素因・環境・生活習慣・食物・生体の反応性などの多数の因子が関与している。たとえば環境だけをとりあげても、排気ガスなどによる大気汚染、家屋建築の変化、室内の空調や生活を彩る様々な調度品の普及、快適な寝具の利用などの多岐にわたっている。食物でも高蛋白・高カロリーのものは炎症性疾患を増強させる効果をもつことが知られている。このような要素が蓄積され、相互にも影響しあってアレルギー疾患が増加したと考えられる。またアレルギー疾患のような病気が増加することは、高度な文明社会に浸りきっている我々に対するひとつの警鐘であるともいえよう。アレルギーの治療薬についても次々と新しい作用機序をもつものが開発され、処方できるようになりつつあるが、アレルギー疾患の治療では上記のようなアレルギーを起こすもとになった諸因子をできる限り排除する努力も必要である。素朴な自然環境を回復してできるだけ生活の中に取り入れ、外界からの刺激や脅威に対して過剰な反応を起こさず十分な抵抗力を持った個体をつくることが望まれる。


東邦大学理学部 訪問教授 佐橋 紀男

 日本での花粉アレルギーの発祥時期はおよそ50年前の1940年代に溯る。当時は一部の専門医により、花粉アレルギー患者の存在が取り沙汰されていたが、実際にはその20年後の1960年代になってようやく専門医により、ブタクサ(1961)、スギ(1963)、カモガヤ(1964)花粉症などが次々と報告されはじめ、今日では約60種に及ぶ花粉原因のアレルギーが報告されている。何故このようにここ30年足らずの間に爆発的に花粉アレルギーが増加したのであろうか?原因はいろいろ取り上げられているが、スギ花粉症に例をとれば、明らかに終戦後のわが国の緑化推進運動による植林がもたらしたスギ花粉の増加があげられる。針葉樹の植林面積の45%も占めるスギ林から毎年生産される花粉量は推定でも50〜100万トンに達する。無論植林された全ての木が花を付けるわけではないが、いずれにしても花粉量を減らさなければ、患者を減らすことはできない。そうなると、スギ林を伐採するのが解決の近道だが、もし今日の全国のスギ林を半分伐採し、スギ花粉が仮に半分減ったとしても、患者は決して半分には減らない。このことは毎年のスギ花粉の観測結果から明言できることであり、かえって植物を根絶やしにすることによる、二次的な災害(崖崩れ、洪水など)のほうが大きくなることは必定である。従って、我々はスギやその他の一見有害と思われる雑草すらみだりに根絶することは賢明な方法ではなく、共存共栄する道を選ぶべき時にきているものと考える。


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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